だんだん寒くなってきました

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。
朝夕の気温が下がり、木々も色づいてきました。紅葉を見に高原に行きたい季節ですが、宣言解除直後ということもあり混みそうで躊躇してしまいます。感染者も激減し、ほっと一安心ですが、去年の年末のことを考えると油断禁物です。今年も大勢の集う本格的な忘年会は見送りになりそうです。

コロナ禍に1年半以上も振り回されてきましたが、少し落ち着いてみるといろいろなことが変わってきたことに気が付きます。自分の生活一つとっても生活のリズムが変わりました。夜遊びがなくなったせいで就寝時刻が早くなりました。夜は夕食後すぐに入浴、少しメールチェックやユーチューブで音楽を聴いた後、11時には寝てしまいます。朝は6時には起床。早朝のカフェでの読書後出勤。平日はこの繰り返しです。飲みすぎもなくなりましたし、睡眠時間が十分にとれているので疲労もありません。おかげで多忙な診療も難なく集中できています。

なにより、良かったのはいろいろな会議や講演会がリモートになったことです。医師会の理事会だけはなぜか一貫して対面ですが、それ以外の委員会はzoom開催に変更されてきています。いままで頻繁にあった夜の講演会も回数は減り、あってもzoom開催なので移動時間もなく体に優しいです。zoomをはじめとするリモート会議のソフトはなぜこれまで多用されなかったのか不思議です。使ってみるととても便利で、用件を伝えたり込み入った話でなければ議論協議することも可能です。移動の時間が短縮されるので、会議ぎりぎりまで診療ができます。当院でも、院内会議の際に休みのスタッフがいた場合でも、ハイブリッド(対面とリモートの併用)で会議を行えています。

こうしてみると、リモートによる面談はいいことづくめのようですが、そうとばかりは言えません。当院でも遠隔診療の試みは行っていますが、実際にやってみるとその限界性に気が付かされます。画像と音声があるので精神科診療にはとてもあっているのではといわれてきましたが、やはり対面に比べてみると情報量が少ないというのが実感です。ちょっとした表情や声のニュアンスといった微妙な情報をとらえにくいと感じています。このために正確な判断が下しにくいのではと思っています。また、制度上の壁もあり、患者様の費用負担(約3~4000円)が増えてしまうというのも障壁になっています。このため当院では、引きこもりでどうしても来院できない方や片道1時間以上かかる遠方の方にのみ実施しているのが実情です。しかし、今後は制度も整備され実施に適した患者さんをうまく選定することができれば対面診療を補完するものとしての機能は期待できると思っています。

コロナ禍は、我々を含め多くの人々の生活の様式の変化を強要してきましたが、今後も環境問題や温暖化など、我々が外的要因で振り回される事態や天災は年々数を増していくのではと思います。こういうときには、個人も組織も柔軟性や対応能力が試されるのではと思います。コロナで亡くなった方や後遺症で苦しんでいる方、仕事がうまくいかなくなった方もいるので一概にはいえませんが、コロナという天災による変化を少しでもプラスに転じていく工夫が必要ではと思っています。コロナ対策で学んだ教訓は、できる限り迅速にそして正確な情報を集め適切に事態に対応するということです。アフターコロナは、それ以前の生活に戻すのではなく新しい生活様式が定着するのではないかというのがわたくしの印象です。皆さんの生活の変化はどのようなものでしたか?

Photo by Andrew Small on Unsplash