パニック障害の
治療について

パニック障害の治療について

パニック障害は、薬物療法や認知行動療法を用いて治療を行うことが一般的です。
薬物療法は、抗うつ薬と抗不安薬を組み合わせて行われます。抗うつ薬は、SSRI(新しいタイプの抗うつ剤)が有効です。抗不安薬は、依存性の問題もあるため発作時の頓服のみとして定期的な服用は勧めておりません。
パニック障害の多くは、こうした薬物療法のみでよくなりますが、認知行動療法などを併用することもあります。また、現在の環境や過去の生活史がストレスとなって症状がでているような場合には、心理カウンセリングも必要なことがあります。

 

薬の服み(のみ)方について

パニック障害には抗うつ薬が処方されますが、多くの抗うつ剤は、飲んでぱっと効くといった薬ではありません。1週間から10日あるいは2週間効果が出るまで、毎日コンスタントに飲む必要があります。
従って、副作用が出ない限り決められた量をのんでください。のんでも効かないからといってすぐに中止しないでください。
抗不安薬は、比較的早く効果が出現します。のんで20〜30分の間には効いてきます。したがって、パニック発作が実際起こってしまったときや起こりそうなときには、抗不安薬が有効です。

 

抗うつ薬の副作用について

副作用で、多いものはのどの渇きや便秘、眠気、吐き気などです。頭痛を起こす薬もあります。
しかし、副作用はのむにつれだんだんなれて、軽くなることが多いようです。ですから、我慢できる程度のものでしたら、少し辛抱して飲み続けてください。
もし、副作用かなと思ったら、遠慮せずに電話で問い合わせてください。診察中で、即答できないこともありますが、折り返しお返事いたします。

 

薬の習慣性と服用する期間について

一般の抗うつ薬には習慣性はありません。従って、決められた量であれば薬をのみ続けてもあまり問題ないと思われます。 また、くすりは症状が改善してくれば、当然減量をしていきます。
ただ、なかには薬を減らすと症状が再発してしまう方もいます。こうした方は、薬を継続することが必要です。しかし、症状がよくなったからといってすぐに薬はやめないほうがいいと思います。急に服用をやめると、反動で症状が元に戻ってしまったりすることがあります。このため、徐々に薬を減らしていくのが原則です。具体的な減量のペースは主治医にお尋ねください。

 

日常のすごしかたについて

パニック障害にかかったときの生活のすごし方の基本は、どの病気でも一緒ですが休息することです。十分な睡眠をとり、生活のリズムを崩さないことです。疲れがたまったり、深酒をしたりするとパニック発作が起こりやすくなるようです。また、コーヒーもあまりのみ過ぎないほうがいいようです。
症状が、落ち着いたら行動範囲を広げるように努力してください。パニック障害の方の多くは、バスや電車、人ごみが苦手な人が多いようです。しかし、発作がおきるかもしれないからといって家に閉じこもった生活をすることは勧められません。しかし、不安が強い間は無理をしないほうがいいようです。