チ。
こんにちは、あべクリニックの梅津です。子どもが大きくなると、共通の話題が増え、ともにiPadで動画を見る機会も増えました。昔はテレビのチャンネル争いでしたが、今はNetflixやAmazonプライムのチャンネル争いとなりますね。もともとテレビを見る方でなかったのでアニメには疎かったですが、最近はアニメも見るようになりました。
先日面白いなと思ったのは、『チ。ー地球の運動についてー』 というアニメです。天動説が標準であった時代に、神への信仰を否定するような地動説を唱える人々の戦いを描いていく物語です。私達の時代の学校の勉強では、地動説が正しいとされて、太陽の周りを地球やその他太陽系の惑星が同心円で回っていることはむしろ容易に想像がつきます。ただ、その考え方が生まれていなかったころの天動説がどのようなものであったか、まったく気にしていませんでした。
普段からよく見える火星に関しては、遠い星の動きのように美しい半円形の軌跡を描いてくれません。「逆行」という表現をされていましたが、たしかに火星の動きは地球から見ると、急にバックして動いたりして、理解しやすいものではありません。星の動きの法則に一貫性がなく感じられた時代が長く続いたのだと想像できる物語の構成でした。
鮮烈だったのは、二人の人間が同心円を違うスピードで歩くことで、「逆行」を再現するシーンです。ひらめきの瞬間とともに、理論がスッとシンプルになる快感が見事に表現されていました。代数や幾何学がときに驚くほどスマートな式で、世界を説明できるように、理論が様々な要素をつなぐ瞬間というのは痛快ですね。地動説の「地」だけではなく、「知」を追求し、そのために自らの命を顧みない人々がいる、という熱い物語で、今後の展開が大変楽しみです!