読書の秋
9月担当のスタッフ梅津としましては、秋といえば、スポーツの秋、読書の秋などを連想し、どちらかについて書いてみたいと思うことがあるのですが、実際に書いたことはありません。そこで少し長めの編集後記、ということで。
最近はAmazonで簡単に注文できますし、1クリックで翌日に届くこのご時世、私もそういった形で注文するケースが多いです。しかしながら、この間はキャンプにいった際、近くにあった付属施設の本棚で、雑誌の『WIRED vol.37』をふと見つけたときは違いました。何か心にせまる感じが違う感じです。新型コロナウィルスに関する記事が多かったのですが、視点が面白く、画一的になりがちなメディアの報道に比べると、どこかゆったりとした捉え方が新鮮に感じられました。
何よりも見た目が良い。この号はきれいな青色一色に近いデザインで、海外のペーパーバックによくあるようなページの端にも色が施してあります。そこも気に入ってしまいました。結局Amazonで注文するという体たらくぶりですが、自宅で読み返すとやっぱり中身も良い。冒頭インタービューのウィリアム・ギブソンの文章がかっこいいのです。
いまや「現在(present)」とはとても短いものになった…「いま(now)」とは文化的にもはや持続時間をもたないものになったんだ。
まさしく新型コロナウィルスによって一変した世界や、この後の予想しにくい状況を言い表しているように思います。オタクな立場から言わせていただきますと、テクノロジーの進化が著しく端末の規格やプログラム言語を変えていくのと同様、文化や常識が変わる速度もどんどん早くなっているように感じます(文化とOS、似てますね)。
こんな出合いでなければ、新鮮な内容に感じられないかもしれませんが、ふとした時に出合った本は、中身はともかくなんだか頭に残りやすいように思います。それからやっぱり、デザインや質感もけっこう重要に思うこの頃です。