夏休みです

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こんにちは、阿部哲夫です。
蝉しぐれが、毎日やかましく感じます。夏の日差しや暑さは例年と全く変わりません。しかし、今年の夏は特別です。オリンピックのせいでしょうか、いいえコロナのせいです。夏だというのに、マスク無しではどこにも行けません。プールにも海水浴にも行けません。さすがにマスクしながら泳ぐことはできないですね。夏休み、子供たちはどうやって夏の思い出を作ればいいのでしょうか?何とか一日も早く皆と笑って過ごせたあの夏の日が戻ることを願ってやみません。

最近、「ホモサピエンス全史」を読み始めました。人類の歴史を様々な角度から見直した本で、著者の視点の広さに驚かされます。また読破してはいないので、全体については語れないのですが、その中で人類がその大陸や島に上陸した時期とその地域の動物の種が絶滅していった時期がほぼ一致するという記述がありました。例えば、かつてオーストラリアにはカンガルー以外にも大型の有袋類がいたのですが、人類が到達するとしばらくして絶滅しているというのです。よく在来種が外来種によって駆逐されるという話がありますが、まさに人類は最悪の外来種というわけです。

今地球の食物連鎖の頂点はトラでもライオンでもシャチでもありません。間違いなく人類です。その食物連鎖の頂点にいる人類は、地球上の食物資源を食べつくし、また化石燃料も使いすぎているために、食糧問題や地球温暖化の問題が生じています。SDGs(持続可能な開発目標)が最近声高に叫ばれているのがまさにこのことです。このまま人類が地球上の資源を使いつくし、二酸化炭素を排出し続ければ10年後には危機的状況に陥るといわれています。最近日本でも水害が頻発し、熱海の土石流などは乱開発と温暖化によるまさに人災だと思います。ヨーロッパでも水害で多くの人が亡くなっていますし、アメリカやオーストラリアでは山火事が頻発しています。こうした自然災害だけではなく、今まさに我々が苦しんでいる、コロナのような感染症もあり、人類は危機にさらされているといえます。   

しかし、視点を変えて地球の立場になってみれば、地球や人類以外の生態系を持続させるには人類はまさに最大の敵といっても良い存在です。地球の環境を変えるだけではなく、地球全体のバランスを崩す元凶になっています。北極の氷を解かすほどの気候変動を一生物である人類が引き起こしていると考えると、現代のエネルギーの消費は度を越しているといっていいでしょう。そういった視点から見るとコロナウイルス感染症も地球が人類を少しでも減らそうとしている防御反応と言えなくもありません。

ハワイも観光客が来なくなり、その自然がかなり回復したと聞きます。地球全体も人類が半減すれば、その種の多様性や豊かな自然が回復するのではないでしょうか。地球にとってのSDGsは、人類が減少することなのかもしれません。オリンピックの一つのスローガンにこのSDGsも含まれているそうです。その一方で無観客になったことで多くの食品が利用されずに廃棄されていたり、多様性を尊重し差別をなくすといっておきながら、過去にひどい障害者差別を実行していた人物を要職に採用するなどその理念の浅薄さには驚くばかりです。オリンピックのために、多くの施設が新しく建設され膨大なエネルギーが浪費されていてなにがSDGsなのでしょうか?グローバリゼーションの中、人流がこれほど地球規模に広がっていなければコロナ感染症もこれほどのスピードでパンデミックになることはなかったと思います。本当のSDGsとはなになのか、コロナウイルス感染症はその問いを人類に突き付けているような気がします。