不安なコロナ禍へ向けて

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新型コロナウィルス感染症が活発に報道され始めて、ちょうど一年くらいになります。感染症対策としてマスクの着用や手指洗浄・消毒を徹底することや、換気をし密閉した空間を作らないことが当たり前の世の中に変化しました。

なるべく人との距離を取ることや、大人数で会食しないことを勧められ、コミュニケーションの方法も変化しました。時間差出勤や在宅勤務への切り替えが行われ、仕事の方法が変化したという方も多いでしょう。新しい生活様式とうたわれる、変化した世の中に適応していくことが求められています。

Photo by Daniel Páscoa on Unsplash

わたしたちの脳は、新しい刺激が入ることはよろこぶ一方、変化することを嫌うと言われています。これまでつくりあげてきた環境や、馴れ親しんだ習慣、いつもの仲間とするいつもの会話など、そうしたものはとても心地よく感じ、安心できます。

現状を維持すれば、大きな失敗をするリスクが少ないからです。変化をすることはさまざまなリスクをはらんでいるため、ストレスがかかります。ストレスがかかるからこそ脳が活性化する、という視点に立てば、なるべく変化を与えたほうがいいとも言えます。

自ら望んで変化をしたならまだしも、このコロナ禍では、強いられた変化だった方が多いのではないでしょうか。望まない変化をせざるを得ない状況では、不安や苦痛を感じ不安定な心境となるのも、わたしたちの脳が嫌がっているのだと思えば当たり前のことです。そのうえで『変化に対する不安をどう受け止めていくか』『どのように変化を受け入れていくか』ということが大切です。

とは言え、『受け止める』『受け入れる』というプロセスはなかなか難しいものです。そこでまずは、①ありのままに自分がどう感じているのかを見つめてみる ②自分の感情の原因、理由となるものは何かを考えてみる ③思い浮かんだものを書いたり、誰かに話したりする という3ステップをおすすめします。『コロナ禍だからつらい』というのが、たとえば『遠くに住む家族に会いに行けなくなってさみしい』と整理できると、現状の感じ方やこれからに対する心持ちが変わってくるのではないかと思います。さらに、それを書いたり話したりして客観的な視点を持つことは、その感情をありのままに受け止める手助けになるはずです。