動物と植物の間
奇数月のあべクリタイムス、ちっともリレーせず、しかも毎回マニアックに偏りがちなエッセイを書いてしまうスタッフ梅津です。もちろん、早めに皆様にお願いしないため、自業自得としか言いようがありません。
それはともかく、先日、我が家で事件が発生しました。家人の報告でカブトムシの飼育容器が大変なことになっている!とのこと。カビのようなものがあるとのことで、最近、ほったらかしにしていたせいで幼虫もろとも土が腐ってしまっただろうと落胆していましたら、違いました。土は腐っておらず、匂いも正常です。「これはもしかして、、粘菌?!」と私のテンションはMAXになりました。
調べてみると、カブトムシの飼育容器から同じような粘菌が発生するケースは多くあり、朽木を埋め込んだ今回の土で発生する可能性は十分にあったことがわかりました。何より黄色いペンキを塗ったような物体にこれまで気がつないはずはありません。カビであればもっとゆっくり増殖しますので、粘菌であることは明白です。
調べると、「ムシホコリ」という種類でyoutubeなどで調べるとこの変形菌の広がりが短時間で起こることが確認できると思います。
私がなぜここまで粘菌に熱心かと申しますと、若かりし頃、心を奪われた日本の博物学者、生物学者、民俗学者である南方熊楠が粘菌研究の第一人者であったこともありますが、何より微生物を捕食するときは移動するという動物的性質を持ちつつ、小型の子実体を形成し、胞子により繁殖するといった植物的性質を併せ持つ生物、まさしく動物と植物の間のような生物だからです!といってもこの熱が誰にも伝わらないと思いますので、この辺で。