こんにちは。院長の阿部哲夫です。
10月です。秋も本番です。気が付いたら蝉の声が、秋の虫の音に代わっていました。しかし、10月になっても暑い日が続きますね。これも地球温暖化の影響なのでしょうか?今年の冬の予想は暖冬だそうです。10月になっても、かき氷やアイスが恋しいと思うのはやはり異常ではないでしょうか。
最近の話題の一つが、ラグビーワールドカップでの日本の快進撃です。ラグビーにそれほど興味のない私は、世界ランキング2位のアイルランドとの試合はどうせ大敗だろうと見ようとすらしていませんでした。しかし、世紀の番狂わせという結果です。途中逆転した時でさえ(その時レストランにいた私は、隣の人がネットニュースをみていて話を横から聞いて途中経過を知っていたのです)いずれ逆転されてぬか喜びに終わるだろうと、悲観的予測でした。しかし、試合はやってみないと分からないものです。皆さんがご存知の通り日本が勝ってしまいました。まさに想定外の勝利とはこのことでしょう。急にマスコミも優勝だと騒ぎ始めています。
想定外は、スポーツの世界だけでもないようです。今回千葉県を襲った台風は、まさにこれまで経験のないような風力風速だったようです。わたくしも以前に千葉県東金の病院に勤務していたことがあったので、かなり心配しておりました。しかし、先日その病院の院長に会ったところ、奇跡的にその病院は停電を免れ、水も浄化装置があったので停電も断水もなく、むしろ近隣の病院に水を融通したと聞き安心しました。千葉から来られている患者さんの中には、3日間停電して暗い中不安な日々を過ごしたという方もおられました。電気にいかに我々が依存しているのか、再認識させられた災害でした。
この停電に関して、千葉県知事が想定外の災害だったとコメントし、災害対策が後手に回ったことに対する言い訳としか思えないような発言をしていました。しかし、想定内の災害なら被害は甚大になりません。人間は学習能力があるため、同じ規模の災害が再び来ても大丈夫なような準備はするものです。しかし、想定外の災害が起った時こそ、その時にリーダーの指導力が必要なのだと思います。こうした非常事態にいかに的確な判断をして、事後の対策をするか、それこそリーダーシップが試される時なのでしょう。
今後は、地球の温暖化がますます進み、台風の大型化甚大化が進むといわれています。これから10年20年の期間で考えると、今後も想定外の災害に会う可能性はかなり高いと思われます。だとすれば、それは想定外でなく想定内のことになるのだと思います。今後は、これまでに経験のないような強い台風が日本列島を襲うことは想定内のことと考えなければいけないのでしょう。そういた意味では、我々一人一人がこうした事態になったらどう行動するのかシュミレーションしておかないといけないと思います。
また、この温暖化の中、来年東京オリンピックが真夏に開催されることは心配でなりません。先日の医師会の会議の中でも、この温暖化しており真夏には屋外での運動は避けるようにと言われている東京で、真夏にオリンピックを開催することは自殺行為ではないかという議論がありました。おそらく熱中症に観戦中の方や選手の中に多発することが予想されます。それでも、熱中症の方が多数発生し対応が後手に回っても想定外だったと言い訳するのでしょうか?昭和39年でも10月開催だったのに、台風も来る可能性があり、酷暑日の発生が予想される8月になぜという疑問は消えません。あるいは、この想定内の酷暑の中、想定外の選手が優勝ということを期待してのものなのでしょうか?2020年の夏が、想定外の冷夏になり、酷暑による犠牲者が出ないことを祈るばかりです。