こんにちは。院長の阿部哲夫です。
早いもので、9月です。猛暑、猛暑といっていたら、いつの間にか涼しくなりつつあります。まだ、残暑もあるようですが、暑さも彼岸までです。先が見えてきました。それにしても本当に今年の夏は暑かった。地球温暖化が叫ばれる昨今、このまま日本は熱帯になってしまうのではないかとさえ不安になりました。しかし、もうすぐ秋です。虫の音をききつつ、ひんやりとした風を感じながら音楽でも聴きたいものです。
最近、友人に誘われて、日光まで行ってテニスをしてきました。往復は高速を利用して車で行ってきましたが、最近流行りのあおり運転に合うのではと戦々恐々でした。どんなにあおられても、決してやり返すまいと言い聞かせて運転してきました。幸い、行きも帰りも混みあうこともなく、もちろんあおり運転に遭遇することもなく無事に行ってこられました。むしろ、最近の報道が効果的だったのか、むしろマナーがいいようにさえ感じました。
しかし人は何であおり運転をしてしまうのでしょうか?よくハンドルを握ると性格が変わる人がいるといいますが、車を運転すると少し気が大きくなる気はします。車を運転するだけで、何か生身の時と違った能力が与えられていると錯覚するのか、気分がハイになるのではないでしょうか。こうした万能感や高揚感から、少し攻撃性が増す可能性があると思います。しかし、それだけでは報道にあったようなあおり運転を説明するには不十分でしょう。もう一つの要素として運転者の元来の性格もあるのだと思います。もし、違法な薬物の乱用などの可能性がないのであれば、こうした性格障害の人に運転による高揚感が加わることで、あおり運転といった行動が出現すると考えられます。
では、こうしたあおり運転を防いでいくにはどうしたらいいのでしょうか?一つにはこうした行動の厳罰化も必要ですが、運転免許を取得する段階で心理検査などで攻撃的な性格の程度を判断することも必要なのではないでしょうか?もちろん、攻撃性が異常に強いからといって免許を与えないわけにはいかないと思いますが、こうした攻撃性の高い傾向のある人には、そうした自分の性格傾向を自覚理解してもらい、その危険性や対処法を集中的に教育していくことも考えてもいいではと思うのです。当然、何の根拠もなくこうした措置をとることはできませんが、こうしたあおり運転をした人の性格傾向などを調査していくような研究的取り組みが必要です。こうした研究をベースにあおり運転の原因を明確化し、そのうえで対策を考えるべきだと思います。ただ単に法律を作り厳罰化するだけではなく、なぜ人間は(感情的に)キレてしまうのかをもっと脳科学的に研究するべきなのでしょう。
話題は変わりますが、秋は学会や研究会の季節です、当院も10月には専門職向けに認知症の研修会を企画しております。これは認知症疾患医療センターの活動の一環として実施するものですが、こうした活動を通じてすこしでも地域に貢献できればとも思っております。また、11月には認知症介護に関しての家族の集いも企画しております。家族の集いについてご興味のあるかたは、受付または当院認知症疾患医療センターまでお問い合わせください。