あけましておめでとうございます。
院長の阿部哲夫です。
平成最後の年明けです。平成30年もあっという間に過ぎてしまいました。本当に月並みなコメントですが、月日が経つのは本当に早いものです。次の元号は何になるのでしょうか?新元号になると昭和はますます遠いものになってしまわないか心配です。「昭和生まれの人は云々」といったフレーズが聞かれる日も遠くない気がします。
平成を振り返ってみると、バブル崩壊や少子高齢化、あるいは東日本震災に代表されるような天変地異など、あまり明るい話題は思い浮かびません。医療という狭い世界にいるせいかどうも思考や興味が健康などに向きがちなせいかもしれません。しかし、そうはいっても決して悪い30年間ではなかったのではないでしょうか。わたくし自身は、平成9年に開業し荒川区の医療のささやかな一端を担わせていただきましたが、その前の時期も含め平成時代は、本当に充実した幸せな時代だったと思っています。ちょうど30歳くらいから60歳前後までの時期で、いわゆる働き盛りの時期だったせいもあり、フルマラソンを毎日全速力で駆け抜けていたような感じでした。
次の時代はどのような時代になるのでしょうか?次の天皇陛下はわたくしと同世代ということもあり、自分にとっては人生の集大成の時期になると思います。今までのように、がむしゃらに前を向いていくのではなく、すこし周囲を見渡して景色を楽しみながらゆっくりと前に進んでいきたいと思います。そうはいっても、周囲はこれからもめまぐるしく変化していくとおもいます。こうした時代の変化もキャッチしながら着実に新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。
昨年は何もしないといいながらも、カウンセリングルームや認知症疾患医療センターの移転を行いました。このプロジェクトの成果が表れてくるのは、今年以降のことだと思います。公認心理師制度がスタートし、心理カウンセリングはその重要性が増してくると思います。また高齢化社会はより進み、それに伴い認知症疾患医療センターのニーズはますます高まると思います。また、今年は訪問看護事業にも注力していきたいと思っています。精神科治療において訪問看護は、引きこもりや活動性の低い方には有力な介入法の一つです。また、お一人暮らしの高齢の方にも必要なものです。
また、デイケア部門も従来の活動に加えて、より質の向上を図っていくことが必要です。最近は、精神障害者の社会復帰に関しても、就労移行支援事業所やB型就労継続支援事業所など様々な事業が身近なものになっています。当院でもB型作業所を運営していますが、デイケアもこうした社会資源との有機的なつながりが必要とされるようになってきており、こうした流れに対応した変化が求められていると思います。
次の時代は、これまで以上にコンピューター化が進み、いろいろなものがPCやスマホとつながり、AI(人工知能)もより実用化が進むと思います。医療も例外ではないでしょう。テレビ電話を使った遠隔診療は政府の後押しもあり、より普及していくと思います。また、医療介護看護の連携にSNS的なツールを使うことは有効ではないかと思います。一方AI化に関しては、精神科医療は最も難しい分野ともいえると思います。しかし、一部に関してはAI化を取り入れることで、医療の質も高められるのではとも思っています。こうした進歩の波に、飲み込まれたりそれに振り回されたりすることなく、いいものは取り入れて当院も新しい時代の波を乗り越えていければと思っています
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。