こんにちは、院長の阿部哲夫です。
秋も深まり冬の足音が聞こえてきました。木々は色付き落ち葉を踏み鳴らして歩く季節です。早いもので、11月。あっという間に年末が近づいてきました。そろそろお鍋や炬燵が恋しい季節です。おでんや肉まんもいいですね。なにやらコンビニの宣伝文句のような書き出しになってしまいました。
今年を振り返ってみると災害が多かったように思います。台風や地震や猛暑など、自然の猛威に翻弄された1年だったと思います。夏は酷暑で、認知症の方が熱中症で倒れないかと心配したり、地震の後、北海道が停電になり、東京が停電になったらどうしようと不安になったりしたのも記憶に新しいところです。前々回にも書きましたが、危機に対する備えは大事です。
先日、当院も大きなトラブルに見舞われました。電子カルテの不具合です。電子カルテがうまく作動せず、診療がかなり長い間止まってしまいました。当初はソフトの問題かといろいろ対策を試みましたが復旧しません。ついで新しく入れ替えたパソコンのせいかとおもい、再度入れ替えてみましたが、それでもだめでした。原因は別のところにあったのですが、原因究明に時間がかかってしまいしばらく診療できない状態に陥ってしまいました。当日いらした患者様には、長時間お待ちいただいたり予約を変更していただいたり多大なるご迷惑をおかけしまた。この場を借りて深くお詫びしたいと思います。
このときは、電子カルテが少し疎ましく思えました。紙カルテであればこんなことは起こらなかったのにと、すこし恨み節が出てしまいました。しかし、よくよく考えれば、こうした脆弱性があったとしても電子カルテを使用しない診察はもう不可能であると思います。電子カルテの最大の強みは、情報を多く残せることです。手書きだけでは、すこし記載を省略してしまうのに対して、電子入力では入力が簡単なので多くの情報を記載して残すことができます。第二のメリットは、検索機能です。以前にどのような薬を処方したか、その時の効果はどうだったかを瞬時にその時のカルテにさかのぼって調べることができます。したがって、以前に効果のあった薬を検索して再度処方するといったことがすぐにできるのです。逆に、効果がなかったり、副作用があった薬を再度処方することを防ぐこともできます。第三のメリットとしては、書類作成が簡単にできることです。診断書や、自立支援の意見書などを作成する際には、かなり時間を短縮できます。このためもあって、診断書類に関しては比較的スムーズにお渡しできているのではと思います。こうした、無駄な時間を省略することで診療により集中ができていると思います。
やはり技術の進歩は、その運用に多少の危険性があってもそれを取り入れていくしかないのでしょう。我々が、地球温暖化を防ぐためといって、今更電気のない生活はできないと思います。スマホの便利さになれてしまえば、やはりガラケーに戻れないのではないでしょうか。電子カルテも、いったんシステムが止まってしまえば診療がストップしてしまう危険があっても使っていかざるを得ないのだと思います。そう思うと、やはり危機管理をしっかりとしたうえで運用を続けていくしかないのでしょう。電子カルテそのものも日進月歩で、いまはクラウド型といってインターネットを使ってデーターを院外のサーバーに保管するものも出てきています。もちろん、セキュリティー面での不安は皆無ではありません。しかし、その利便性から、いずれはこのタイプのカルテが主流になるのではと思います。当院も、こうした進歩にすこしでも追いついていくように、システムの改良を継続していきたいと思います。
お知らせですが、12月からカウンセリングルームが7階に移ります。また認知症疾患医療センターの事務局も7階に移動になります。また、インテークルームも増設し新たな患者様のニーズにより応えていける体制を作っていきたいと思っています。また、11月からは、隔週であった木下先生の土曜日午後の診察が毎週となります。このように、あべクリニックは、僅かずつではありますが進歩改善を図っていきたいと思っています。