すっかり秋めいてきました

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。
猛暑猛暑といっていたのに、お彼岸を過ぎるとすっかり秋めいてきました。少し肌寒い日もあり、紅葉が待ち遠しいです。食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋といいますが、今年は欲張って、いずれの秋にも挑戦したいと思っています。

まずは、スポーツの秋。以前から、テニスは生涯スポーツとして続けていたのですが、仕事が多忙になり月に2-3回しか
できなくなってしまっていました。そこで、暇な時間を見つけては、区営プールやスポーツジム通いを再開しました。例にもれずの中年太りで、内臓脂肪がおおく、これまでも健康診断でダイエットを勧められていたのですが、ようやく重い腰を上げることにしました。

休みの日に、ジムやプールに行けば疲れが蓄積してしまうのではと心配でしたが、まったく逆でした。精神的にも、週に1-2回激しく体を動かすと爽快感もあり、意欲が増してくる感じもあります。当初は、面倒くさがっていかなくなるのではと思いましたが、運動できると思うとなにか待ち遠しい感じさえします。以前何回かスポーツジムに入会しましたが、やせるためとか何か義務的に感じてしまい長続きしませんでした。今回も三日坊主になるのかもしれませんが、週に一回のプールまたはジム通いが今は楽しみになっています。

プールやジムに行って驚いたことは、通っている方の年齢層の高さです。平日に行くことが多いせいもありますが、ほとんどが65歳以上の方のように見えます。しかも、黙々と長距離をおよいでいたり、楽々と筋トレをしたりと元気そのものです。おそらくは、すでにリタイアされている方々で、毎日のように通っているようにも見えます。日頃仕事でくたびれている私よりもよほど体力に満ち溢れている様子です。

こうした元気なお年寄りを見ているとフレイルやサルコペニアといった言葉は恐れるに足りないと思いました。この二つの言葉は聞きなれない方も多いかもしれませんが、高齢者医療の分野では最近よく聞くようになった言葉です。フレイルとは、虚弱と訳されますが、健康と要介護の状態の中間の状態を指します。加齢により認知機能や運動機能が低下してきている状態です。サルコペニアとは、やはり加齢により筋肉量や筋力が低下している状態を指し、こうしたフレイルやサルコペニアを予防することが、要介護状態に至る期間を延ばすのには重要とされています。

つまり、要介護状態になる直前から体を鍛えたり、認知機能の低下に気を配ったりするのではなく、高齢になったら健康な状態の時からこうした予防が大切ということです。筋力の衰えを感じてから鍛えるのではなく、衰える前に日頃からのトレーニングが必要ということです。そうした意味では、年配の方がジム通いをするというのは実に理にかなっています。私が、以前にジムに入会していた7-8年前にはこれほど多くの年配の方がジムに通っている光景はなかったと思います。それだけ意識の高いお年寄りは、日ごろから体を鍛えるようになったということです。

当院でも、認知症予防のデイケアプログラム碧空(あおぞら)を行っていますが、こうした活動に参加することが大事だと思います。当院に通院中の高齢者の方の中には、人がいるところが嫌とか、出かけるのが面倒といってデイサービスなどの参加を渋る方も少なくありません。しかし、こうした方々をみていると、機能低下が早く進んでしまう印象があります。こうしたことを予防するためにも、元気で意欲のあるうちから人との交流や運動をする機会を確保しておくことが肝心です。そうした意味でも、ジムに通い仲間を作ることは、フレイル予防に役立つと思います。私もそろそろ、こうしたアンチエイジングには心掛けないないといけない年頃です。何とか、3日坊主にならならいように運動習慣を継続していきたいと思っています。