お花見シーズンです

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。

いよいよ4月です。花見シーズンまっさかりで、2日の日曜日は谷中は人でごった返していました。むかしは、谷中墓地での花見がさかんで、知り合いがあちこちで宴会しておりにぎやかだった記憶があります。いまでは宴会は禁止となってしまい、仕方ないとはいえ少しさびしい感じもあります。その一方で、谷中の観光地化は以前よりヒートアップしていて、新しい店がどんどんできていて変化についていけません。昔ながらの店舗にはお客が少なく、新しい店に観光客が殺到しているのをみるとなにか変だと思ってしまいます。薄っぺらい観光地にだけはなってほしくはないというのが、地元民のせめてもの願いです。

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前回は、うつの時はあまり先のことを考えないほうがいいと話しました。今回は不安について話したいと思います。皆さんは、不安はどうして感じるのだと思いますか?将来本当に自分に悪いことが起きるから不安を感じるのでしょうか?

しかし、多くの人はは実際には起こる可能性が低いことに対しても不安を感じます。しかも、その可能性が低いこともわかっていても不安になります。(ただうつの時には、起こる可能性が低いことでも可能性が高いと誤って認知することがあります。)不安を感じるのは、そのことが起こると自分にはコントロールできないと思うから不安を感じるのです。つまり、起こる可能性が低いことでもいったん起きてしまうと自分には対処できないと思いこむから不安になるのだと言われています。つまり、逆に言うと、そのことが起きても自分では何とか対処できる自信があれば不安にはならないのです。

たとえば、「大きな失敗をしてしまうのでは」と不安になることがあります。その時失敗したら自分はその状況に耐えられないだろう、自分ではその時に起きる感情をコントロールできないだろうと思うから不安になるのです。しかし、実際には失敗したとしても自分はその状況を乗り越えていけるとか、その状況を改善できるという自信があれば不安にはなりません。もし、不安になりそうになっても、冷静に自分はその状況を跳ね返せると考えられれば不安や抑うつは襲ってはこないのです。

しかし、いつもこのように冷静に対処できるとは限りません。こういう時には、自分は大丈夫、この困難は乗り越えられると言い聞かせることも必要です。朝起きた時に、不安を感じそうになっても「自分は大丈夫」と唱えることも不安を跳ねのけることには有効です。

根拠はないかもしれません。それでも「自分は大丈夫」と唱えてみてください。なにか宗教的かもしれませんが、不安に感じることも実は多くは根拠がないことなのです。自分が作っている幻影におびえていることが多いのです。罰当たりな言い方かもしれませんが、祈り、神仏にすがることもこれに似た効果があるのかもしれません。こんなことを言っている私も実は不安を感じることがないわけではありません。こうしたときにはこの方法で「大丈夫」と自分に言い聞かせています。そして、不安は自分だけではなく皆が感じていると思うことも不安解消には有効だと思います。

お知らせとしては、いよいよ5月27日に第一回目のオレンジカフェをホテルラングウッドの地下のレンタルスペースで開催予定です。オレンジカフェとは、認知症患者さんのご家族やご本人を中心にした交流の場です。認知症の患者さんやそのご家族だけではなく、ご興味のある方はぜひのぞいてみてください。第一回目は、私が認知症予防について少しお話をさせていただく予定です。詳しくは、認知症疾患医療センターの担当までお尋ねください。