梅雨空に思う

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。
毎日の曇天、本当に気が滅入ります。雨が降ると湿度も上がり肌もべとべとして、さらに憂鬱になります。しかし、たまに晴れた日があると、気分が文字通り晴れますね。気が晴れないとか、涙雨とか、気候と気分は表現上でも密接な関係があります。表現だけではなく、気候と気分とは密接に関連している気がします。

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これまでも、何回か触れたと思いますが、やはり気候がすぐれない季節や気候の変化が大きな季節は、気分や体調を崩しやすいと思います。実際この頃は、不調になる患者さんが多くなりますし、新たに来院する方が増えます。私自身も、なんとなく体調がすぐれない感じを実感しています。

こうした季節を乗り切るにはと、毎年工夫していますが、なかなか妙案がありません。やはり適度に運動をして、深酒をせずに、睡眠を十分にとる、仕事をしすぎないようにして休息も確保する、といったありきたりの方法しかないようです。いずれにしても、頭を低くして夏が来るのを待つしかないのでしょうか。

最近、当院では、カルテや種類などでのペーパーレス化をすすめています。極力、情報を電子化して紙をなくし、しかもその情報をすばやく伝達できるようにするためです。資源の節約だけではなく、省力化することで、よりスタッフのマンパワーを患者様のサービスに集中できるようにと考えております。しかし、こうしていくとどんどんコンピューターに支配されてしまい、コンピューターなしでは診療できなくなってしまうのではとの懸念もあります。しかし、高度成長期を経ることで電気製品のない生活ができなくなってしまったのと同じように、もうわれわれはコンピューターなしでは生活できないでしょう。最近まで、スマホが使いこなせずに、ガラ携にしがみついていた私ですが、次はスマホに買い替えるしかないと覚悟しております。

しかし、こうした生活の変化で失うものが多いことも事実です。どんどん、世の中がIT化しスピードアップしていくなかで、なにか人間的なものや昔ながらの生活の良さがどんどん消えていってしまっていることにも気が付きます。ネットで買い物を済ませてしまえば、店員さんとのやりとりの中で品物を選ぶと言ったコミュニケーションが無くなってしまいます。いまは、ネットのチャットだけで付き合っている男女もいるくらいですから、こうした人とのやりとりは、無用なのかもしれません。しかし、人がストレスから解放されたり癒されたりするのは、やはり人との関係の中でのみできることだと思うのです。人々が昭和の文化の中にノスタルジーを感じるのも、世の中のIT化と関係していると思います。あるいは、当院のようなメンタルクリニックが増えているのも、無関係ではないでしょう。

こうして考えてみると、週に一日いや月に一日だけでも、コンピューターやスマホをはじめとする文明の利器との関係を一切絶って過ごしてみるのもいいのかもしれません。なかなか、勇気のいることですが、なにか別な景色が見えるかもしれません。早速今度の日曜日に試してみようと思います。そうしたら、梅雨空の日でも少しは気楽に過ごせるかもしれませんね。

来月から、少し診療の体制が変わります。私の水曜日の診療が無くなり、山嵜先生が一日勤務となります。山嵜先生は、私の医局の後輩で新進気鋭の精神療法家です。そのかわり、私は土曜日午後の診療を開始します。当初予約などご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いします。