寒くなってきました

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こんにちは。
院長の阿部哲夫です。
11月というのに暖かい日が続いています。もうそろそろコートが必要かと思いますが、まだ出番がないようです。しかし、繁華街ではハローウインの飾り付けからクリスマスのイルミネーションにかわり年末ムードです。クリスマスを意識すると、年末で今年もそろそろ終わりという意識になってきますね。今年は、地震以来本当に色々ありました。それもあってか、あっという間に過ぎた一年だったと思います。まだ振り返るのは早いかもしれませんが、早く気持ちを切り替えて来年に向かえればとも思っています。

私事ですが、最近1つ歳をとりました。実感はないのですが、50台半ばに差し掛かってきました。還暦もすこし視野に入ってきているかと思うとますます実感がありません。最近は定年も延長される傾向にあるようですが、一般の会社では60歳の定年というところも多いようです。一般的には、あと6~7年で、第一線からすこし引くと思うといささか早い気がします。(もちろん私自身は定年がないので、60歳代あるいは70歳代になってもがんばろうと思っています。)しかし、そうはいっても20代、30代の頃の体力に比較するとやや落ちてきていることは否めない気がします。

しかし、その一方で50歳代というのは最も責任が重くなる時期でもあります。仕事の面ではハードになる一方、体力が落ちているためにストレスに対する抵抗力が落ちてきます。責任や仕事量は増える一方で体力は落ちている、これが「うつ」の引き金になることもあるのです。しかもこの年代は、子供の学費や家のローンなどの経済的負担も大きな時期です。休みたくても、家族のことを考えるとおいそれとは休めない。こうした追い詰められた状況がさらに「うつ」を悪化させます。この逃げられない状況というのが、「うつ」には本当によくないのです。この仕事がだめでも、すこし楽な仕事に変わればいいくらいの心理状態のときは「うつ」にはなりません。何が何でもこの仕事をやっていかないといけないという状況でのストレスは「うつ」につながりやすいと思います。

自分自身がこうした年代になってきて、こうした壮年期のうつ病の心理がよく理解できるようになってきました。もちろん今私が「うつ」になっているわけではありませんが、本当に共感できるようになってきたのです。ではこうしたときにはどうしたらいいのか。ひとつは、自分の今の体力にあった仕事量にすることです。自分で全部背負うのではなく人に分担してもらう。自分がうつ状態になりかかったときには、すこし業務を部下に任せてみることが出来るといいと思います。女性で家庭に入っている方であれば、少し家事や育児の手を抜くことも必要です。ちょっとした用事は引き受けずに断ることも時には必要でしょう。できれば、誤解をされないようであれば「うつ」であることを周りの人に理解してもらって業務の軽減を出来ればベストです。

後もう一つは価値観を変えることも必要です。それまでは仕事をがんばって成果を上げることを目標にやってきたのを、少し肩から力が抜けるといいと思います。がんばりすぎずに日々淡々と過ごすことも必要です。うつになると、不安が高じてまた努力してしまう傾向にありますが、これはむしろ逆効果かもしれません。深呼吸をして肩の力を抜いて、しばらく少しペースを落とす。成果があまりあがらなくてもあまり気を落とさない、このことも重要です。

自分自身も含めてですが、こうした努力をして、何とかこの50歳代を乗り越えていければいいのではないでしょうか。60歳代になればこうした重荷も取れて、体力にあったストレスだけになっていくのだと思います。その頃にはきっと霧が晴れるように、視界が開けていくのだと思います。