暑中見舞い申し上げます

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。
皆様、毎日暑いですね。今年は記録的な、猛暑だそうです。連日の報道で聞くのは、「観測史上最高の気温です」とか、「猛暑日が最多です」といったものです。新記録更新は、オリンピックならうれしいですが、気象庁の記録ではうれしくも何ともありません。これからの日本の気候がどうなっていくのか不安になります。

話は変わりますが、最近の日本のアスリートの活躍は目覚ましいものがありますね。エンゼルスの大谷や、女子卓球のみまひなコンビ、そしてバトミントンと世界レベルでの活躍は目を見張るものがあります。しかし、その一方でレスリング協会の不祥事や、日大アメフト部の悪質タックル問題、そして日本ボクシング協会のパワハラ不正など、スポーツ界にまつわる問題は後を絶ちません。その原因はどこにあるのか、それはその組織が民主的な運営がなされていないことに尽きると思います。

そもそも、民主的運営とは何なのか。それは世襲や、階級制による社会の硬直化に対するアンチテーゼとして生まれてきていると思います。フランス革命がその象徴です。ブルボン王朝の圧政や奢侈贅沢に対する民衆の怒りが、革命を生む原動力になったのだと思います。日本の明治維新もしかりです。幕藩体制では、諸外国の合理化された民主的な国家運営に対抗できないと気が付いた江戸末期の知識階級の危機感から生じた社会運動だと考えると納得がいきます。

こうして見ると組織運営の方法として、上意下達のみで成功した組織は皆無なのではないでしょうか?リーダーシップは必要ですが、民意を汲み、議論し様々な利害を調整したうえで決断するのが真の政治だと思います。私利私欲で行っても、国民はついていきません。その組織が、一個人の私利私欲のために運営されるようになった時、まさにその瞬間にその組織は腐敗し衰退を始めると思うのです。

そうした意味でも、ボクシング協会やレスリング協会の不祥事は、起きるべくして起こった事例でしょう。確かにそれを許した周囲の人間にも問題があります。そのレベルの人間を組織の長としていだいた構成員の責任も問われるべきだと思います。しかし、従来日本では体育会系という言葉に代表されるように、封建的で上下関係を重んじる風土が根付いていたのだと思います。しかし、そうした風土は徐々に変革し変えていかないといけない時期になっているのではないでしょうか?しかし、その変革をリードしてくべき監督官庁である文部科学省の幹部職員が、風俗接待を受けたり、息子を医学部に不正入学させたりしていたという報道もあり、その時点で終わっている感は否めません。こうしてみると、日本のスポーツ界の変革の道のりは険しいものになりそうです。

独裁やワンマンはある意味楽なのです。自分たちは考える必要がなく指示に従っていればいいからです。しかし、時代は刻々と変化しているのです。そうした怠慢が許されません。ゆえにこうした時代錯誤のワンマン体制独裁に支配された組織が長期間続いた例を歴史上みないのではないでしょうか。様々な意見を自由に言えて、その中で議論し皆が協働しより良いものを選択していくといった、皆が知恵を出し合っていくような体制でなければ、例えば未曾有の自然災害といった困難に立ち向かうことは難しいと思います。権力が集中し、周囲が忖度ばかりして、物事が変な方向に進んでしまう。なにか、ほかの分野でも見た気がするのはわたくしだけでしょうか?

毎日、酷暑はまだ続きそうです。この酷暑は自然災害に匹敵するといっている人もいます。皆さんも健康に注意して夏バテとならないようご自愛ください。