めっきり冬めいてきました

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。
ハロウィンもおわり、町は徐々にクリスマス気分です。東京の木々も紅葉し、風も冷たくなってきました。先日もオープンカフェの外の席に座っていたのですが、肌寒く感じて、室内の席に移動してしまいました。言い古された言い方ですが、本当に時間がたつのが早くなっています。ついこの間まで、暑いと感じていたのに、いまは衣装もすっかり冬支度です。

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先日、日本精神科診療所協会主催の認知症の講演会があり、挨拶をしなくてはいけないこともあり参加して来ました。一般の方向けの講演会で「認知症予防の最前線」ということで、遠藤英俊先生の講演でした。そこで認知症予防の具体的な方法についての説明がありました。要約すると、①生活習慣病を予防すること ②有酸素運動をすること ③なるべく知的活動をすること ④食事や喫煙などに気をつけること などでした。

生活習慣病は、認知症の進行に深く関係しているようです。とりわけ、糖尿病と高血圧、高コレステロール血症はいずれも放置すると認知症になりやすくなってしまうとのことです。これはいずれも血管に障害を与える病気で、脳の血管がもろくなったり血流が悪くなると、脳梗塞や脳出血など直接認知症を引き起こす病気がなくても、アルツハイマー型認知症の発生率をあげるようです。ですから、単に寿命を延ばすという意味だけではなく、こうした生活習慣病を治療すると言うことは、認知症予防の点からも大事なようです。

つぎに、運動です。これも、習慣的に有酸素運動(たとえばウオーキングやジョギングなど酸素を取り入れながらする運動)をしていると認知機能は改善するそうです。しかも、何か頭を使いながらの有酸素運動が効果的だと言うことでした。計算しながらウオーキングするといったことでしょうか。こうした、運動をしている人としていない人では、認知症のかかりやすさに差が出るようです。

知的活動は、何も難しい学問をしなさいと言うことではないようです。たとえば、楽器の演奏や語学の勉強、あるいは人と会話するといったことや趣味に打ち込むといったものでいいのです。何か出来ないことを、できなくてもいいから挑戦することが大切なようです。私もそうですが、年齢を重ねてくると新しいことに挑戦するといったことは避けがちになります。慣れ親しんだ日常の行動だけをして過ごすようになりますが、それではいけないようです。わたくしも、ギターのレッスンを受けていますが一向に上達しません。それでも、挑戦し続けることに意義があると思って続けています。コードをおぼえるのも、なかなか進みません。それでも下手は下手なりにチャレンジすることが大切です。もはや、プロになるわけではないのですから、のんびりと楽しみながらやっていこうと思っています。

食事については諸説あるようです。海草がいいとか青魚がいいとか赤ワインがいいとか、えごまの油がいいとか、いずれにしても、比較的健康に良さそうな食品をバランスよくとることがいいようですね。喫煙はいうまでもなく、悪者です。ここでも、悪化の要因として指名手配されていました。

私の描いている老後の生活はこうです。なるべく運動をする。できれば仲間と一緒にやるテニスなどがいいのではないでしょうか。なるべく頭を使いながら作戦を考えて、テニスをやるようにします。これも一種のコグニサイズです。テニスを終えたら仲間と歓談する。こうした会話も頭の訓練にはいいと思います。その際には、つまみに気をつけて赤ワインを飲む。夜は、仲間のいるライブハウスに音楽を聴きに行きワインを飲む。そして、気の置けない仲間とばか話をする。そんな優雅な老後を送るのは難しいかもしれませんが、色々と工夫すればお金をかけずにこうした生活も実現可能ではないかと思っています。

今月27日には、いよいよ「Together -認知症について考えよう 大切な人のために-」がサンパール荒川大ホールにて、午後一時から開催されます。当院と荒川区高齢者福祉課の共催です。無料で参加できます。是非ふるってご参加ください。