夏本番ですね

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。
梅雨も明けて毎日猛暑が続いています。本当に、これでもかと日が照っていて暑さに辟易としますが、夏は好きな季節の一つです。ひとつは日照が長いこと、あと何か気分が高揚するからです。先日も、夏祭りの神輿に遭遇して夏の風情を感じられました。都会の真ん中でも、神輿が出ているのをみると、こんな都会でも地域のコミュニティーが生きているのを実感できて、ほのぼのとした気持ちになれます。

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先日、話題になった「アナと雪の女王」をやっとみました。無精者なので、劇場には行かずDVDが手に入ったので、家でみました。たしかに、歌は素晴らしく、ヒットしたのもよくわかりました。ただ、ストーリーは少し子ども向けなのか、とくに印象には残りませんでした。しかし、ストーリーを別な角度からみたらどうだろうと思い直しました。

「アナと雪の女王」のストーリーを現代に置き換えてみると、引きこもりの話として捉えることはできないでしょうか?人を傷つけ、傷つけられてしまうことを恐れるあまりに、家の中に閉じこもってしまうのは、まさにひきこもり状態です。雪の女王は、山の中に引きこもり、氷の世界をつくるのですが、現代の女王はひきこもってネットの世界に生きようとします。そこでは、自分が人から傷つけられることはありませんが、そこは孤独で温かみや豊かさのない世界です。人との接触もなく自分が成長することもない世界です。生産性もなく、周囲の世界も凍らせてしまい暗くしてしまいます。

その氷の世界から救い出す方法は、映画では真実の愛ということになっています。はじめは男女の愛情かと錯覚しますが、そうではなく家族愛ひいては人間愛とも言うべき無償の愛情が氷の世界を溶かすというのが映画の筋です。しかし、ネットの世界にひきこもった現代の雪の女王達は、こうは単純には行かないでしょう。家族の愛情はもちろん必要ですが、それだけで救い出すことは困難です。ひきこもりの原因も様々です。

統合失調症やうつ病等の精神疾患が原因の場合もあれば、広汎性発達障害でコミュニケーションの問題がある方、あるいは心的な外傷体験があってひきこもっている方もいると思います。それぞれが難しい問題を抱えているために、外の世界と交流が持てなくなっているのです。ディズニーの映画のように、家族愛といった特効薬があるといいのですが、現代の氷の女王は、一筋縄ではいかないようです。しかし、ひとつ言えることは心の問題は、ひとと直接かかわることで癒されることが多いということです。心を開いて誰かに相談するだけで気持ちが少し楽になるかもしれません。

今月から、医師の勤務に変更がありご迷惑をおかけしております。水曜日に山嵜(やまさき)先生が勤務されますが、私の医局の後輩でもありとても優秀な精神科医です。当分は、比較的予約が取り易いかと思いますし、診察もとても丁寧な先生です。診察希望の方がいらっしゃいましたら、ご気軽に受付まで声をかけて下さい。まだまだ、暑い夏が続きますがお互いに体には気をつけて、何とか乗り切っていきたいですね。