来年のことを言うと鬼が笑う

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。

早くも二月です。ようやく年が明けたと思ったら、もう二月です。年頭所感に色々と書きましたが、早くも12分の1が終わったかと思うと焦ってしまいます。しかも、昨年末に色々と用事を引き受けてしまっていて、年明けにあたふたとしています。引き受けた時には、年末年始の休みもあるし大丈夫と思っていたのですが、休みの期間はゆっくりと休んでしまい何の準備もしていませんでした。年が明けてからやればいいとたかをくくっていたのですが、年が明けてしまうと忙しくあっという間に時間が経ってしまいました。準備不足のまま本番に突入してしまうという最悪の結末でした。

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よく「来年のことを言うと鬼が笑う」とはいいますが、これは本来の趣旨とは違うのではないでしょうか?本来は、あまり先のことばかり考えないほうがいいという意味ですが、違った解釈もできるのではないでしょうか?
つまり、年末から着々と来年の準備をきちんとされてしまうと、節分の準備も整ってしまう、それを恐れて鬼が笑うことでそうした準備を阻もうとしているのではないかという解釈です。なぜなら節分の豆の準備が整うと鬼が退治されてしまうからです。ですから鬼に笑われようとも来年の準備はきちんとしておいたほうがいいのす。そんなくだらないことを考えながら準備不足を後悔している最近です。

2月は節分だけではなく受験シーズンです。受験生のみなさんそして受験生を家族に持っている方、本当に大変だと思います。風邪をひかず無事実力を発揮し、志望校に合格することを願ってやみません。今にして思うと、わたくし自身あまり受験は得意ではありませんでした。本番に弱かったのです。
上がり症で、模擬試験ではいい成績をとれても本番になると失敗してしまうのです。今考えてみると、軽い不安性障害だったのだと思います。いまではこうした上がり症は「社交不安障害」という病名がつけられて治療可能になっています。もちろん受験するときに、薬を飲んで緊張を予防するのは、眠気が出たりして逆効果かもしれませんが。

こうして、治療法が開発されると新しい病気が注目されることはよくあることです。そうした意味で今注目を浴びているのが注意欠陥多動障害(ADHD)です。これは、もともとが子どもの病気で、いわゆる落ち着きのない子どもです。授業中もじっとしていられず歩き回る。集中力がなく、忘れ物が多い、物を片づけたり整理整頓ができない、物事の優先順位をつけられない、約束の時間を守れないなどの症状を呈する病気です。最近、こうした病気が、大人になって落ち着くことができるようになっても注意欠陥障害だけが残っている人が多くいることに注目が集まっています。
それは、一つにはこうした状態に対する治療薬が大人についても効果を認められるようになったからです。ストラテラという薬とコンサータという薬です。いずれも以前は18歳未満での投与しか日本では認められていませんでした。それが最近18歳以上の患者さんにも投与が認められるようになったのです。

こうした病態について関心のある方や自分がそれに当てはまるのではと思い当る方は、担当医にご相談ください。ただとくにコンサータに関しては若干の依存性もあり、投与には注意を要します。このために慎重に投与することが必要ですので、その点はご理解ください。

話はそれましたが、今年こそは鬼にどんなに笑われても、来年やその先を見据えてよく考えて行動しようと思います。そしてしっかり準備して鬼や災いを退治したいと思っています。