三寒四温

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。
毎日本当に寒暖の差が激しく、気候に翻弄されています。まさに三寒四温ですが、日一日と春の気配を感じられて、寒い日があってももうしばらくの辛抱と我慢できるような気がします。世界を見渡せば、南米や中米で大地震があったりして、本当に自然の力や天災には人間が無力なことを思い知らされます。この東京にもいつまた大地震が来るのかと思うと不安ですが、心配ばかりしていては何も前には進まないと思い返しつつ、悲惨なことは考えないようにしています。

最近も色々なニュースがあり、日々驚かされる毎日ですが、精神科関係での大きなニュースは虐待で子供を殺してしまった事件や、愛子さまが不登校になったという事件でしょうか。虐待の事件を聞くたびに、何で他人の子でも愛らしいと思えるのに、まして自分の子供を虐待する何て信じられないという言葉を良く耳にします。子供を育てるのは、ある種人間の本能的行動です。しかし、虐待の事件を耳にすると、本当は人間には育児をするという本能は備わっていないのではないかとさえ思えます。

しかし、そうはいってもやはり人間には子供を愛し育てるという本能があると信じたいですね。こうした虐待の事件がある一方、先日のテレビ番組では妊娠中に癌が発見されしまい、出産を優先したために癌が進行し、出産後二年でなくなってしまった母親の話を放映していました。自分の命を犠牲にしてまでも自分の子供の命を優先する。これはまさに究極の決断だったと思います。出産後癌は進行し、その母親は「死にたく無い」と語るのですが、それも自らが生んだ子供を育てるために生き延びたいがためで、自分のために生き延びたいと思っているのではないのです。

番組を見た方は御存知でしょうが、その母親は子供に自分が伝えられなかったメッセージをのこしその本を出版するのです。結局その母親は娘が2歳の時に他界してしまいます。しかし、その本の巻末には、この本を読んだ方はその感想をぜひわが子に手紙を書いて
送って欲しいと結んでありました。

そのためもあってか、その母の死後も
多くの手紙が娘さんに送られてくるといいます。自分が死んだ後でも、子供が自分の愛情を実感できるようにこうした本を作る、これを番組の中では「母親がかけた魔法」と呼んでいましたが、まさに深い愛情からうまれたマジックですね。

こうした話をきくと、やはり親の本能的な愛情は信じられると思います。よくある種の動物が、産卵すると力尽きてその生命を終わらせるように、人間にとっても育児は親の自己犠牲を伴うもののはずです。ではなぜ虐待する親がいるか?が疑問として残ります。もちろん人間には、攻撃性という本能もありこれが異常な形で発現したともいえます。しかし、多くの虐待する親はその親自身も虐待の被害者であることが多いのです。ですから、本来備わっている母性や父性といったものが、こうした環境下で育つと正常に発達しないと考えていいでしょう。ですから、こうした虐待を防いでいくにはこうした負の連鎖を絶っていくことが重要になるのです。つまり被虐待児を虐待する親にさせないことです。そのためには、地域でのサポートのネットワーク(保健所―児童相談所―医療機関)が、こうした虐待経験のある親を支えていく必要があるのです。つまり虐待を早く発見してこうしたネットワークにつないでいくような法律の整備が必要です。基地の問題もたしかに重要ですが、是非政治が主導してこうした問題に取り組むプロジェクトを立ち上げてもらいたいものです。なにせ今の首相は母親からの深い愛情で、月に1500万円もの援助を受けて首相に上り詰められたのですから。

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