三寒四温

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。

毎日、寒かったり暖かったりで不安定な日々が続いています。この季節は、いつも着る服に迷ったり、気候に体が慣れなかったり、あるいは環境の変化があったりと落ち着かない季節です。こうした時期には、体調や精神状態を崩し易く、用心が必要です。しかし、徐々に春の気配も感じられて、桜の開花が近づいてくるにしたがって何かうきうきとしてきます。

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前回の記事でも書きましたが、朝の散歩とジョギングは何とか継続中です。一時気風邪気味になったり、腰を痛めたりで一時中断を余儀なくさせられましたが、体調が戻ってからは再開しています。朝の散歩は、睡眠にもいいと書きましたが、セロトニンの分泌にもよいというデータもあるようです。つまり、うつ病の予防に効果があるということです。早起きは三文の得という言葉があるように、こうしたことは昔から経験則でわかっていたことなのかもしれません。

また、先日に聞いてきた講演では、睡眠中に脳の中の老廃物が排泄されていて、認知症を引き起こす物質(ベータ―アミロイドやタウ蛋白)の排泄には睡眠を十分とることが必要と聞きました。つまり、認知症の予防にも睡眠が重要な役割を果たしているということです。また、以前から有酸素運動が認知症予防には有効というデータもあり、まさに朝の散歩や運動は、認知症にもうつ病にも有効と考えていいようです。

最近は、認知症疾患医療センターに指定されたこともあり、うつ病だけではなく認知症予防のために必要なことに、これまで以上に興味を持つようになっています。これを、突き詰めていくと日常生活の送り方に行きつくのだと思います。つまり、食事と睡眠と運動です。オメガ脂肪酸を含んだバランスの良い食事や、トリプトファンを含んだ食品を十分にとること、適度な有酸素運動、そして規則正しい十分な睡眠が、うつ病にも認知症の予防にも大事だということです。睡眠に関しては、睡眠時無呼吸を放置すれば、睡眠の質が悪化し、睡眠中の脳への酸素供給が不足します。これも、うつ病や認知症の発症には悪影響があり、睡眠時無呼吸のある方はCPAPによる治療をすることで予防していくことが大事です。

こうしてみると、手前味噌ですが当院で行っている運動療法やCPAP治療は、いずれも認知症やうつ病の治療には重要だと再確認しました。こうした治療に加えて日常生活における食事や睡眠のリズムを整えていくことが、これらの病気の予防には必要です。自分で実践してみて効果を実感していることが、長期的に見てもうつ病や認知症に関して予防効果があるとわかり、すこし面倒だと思っても、この良いルーティーンを継続していこうと思っています。これからは気温も上がり朝のすがすがしさもより感じられるのではと、毎朝のウォーキングが楽しみです。