Q. デイケア・デイナイトケアに行く理由って?
精神科デイケアは「病院と社会のあいだの位置にあるリハビリテーションの場」と言われています。
精神科領域の病気、症状は、外来に通院して処方されたお薬を服用すればすっかりなくなる、というものとは言い切れません。
たとえば、上手く眠れないうちに昼夜逆転してしまったあと、お薬で寝つきのよさは改善しても、生活リズムの乱れがなかなかなおせないことがあります。
そのうちに人との関わりが少なくなってしまい、誰かと話すことに不安を持ってしまうこともあります。
以前できていたことができなくなることは自信の喪失につながりますし、そのために再び症状が悪化することもあるのです。
デイケアは、そのような「病気、症状は改善したけれど、日常を取り戻したり社会に出て行ったりするための準備がしたい」という方に、準備や練習の場を提供します。
生活リズムを整えること、外出する場所があること、日中の活動量を上げること、集団のなかで過ごし対人関係を改善すること…どれもデイケアの参加目的であり、再発防止のために重要なポイントでもあります。
Q. 話し相手が欲しい、というだけでは参加できないの?
デイケアは、「社会復帰までの場所」というだけではありません。
誰かと話をしたり一緒に活動したりするのは、心を癒す方法のひとつです。不調になりそうなとき、不調になりはじめたと感じたとき、「自分はひとりではない」「一緒に活動できる誰かがいる」と思えることは大きな心の支えになります。
同じ悩みを共有できる環境があるということは、お薬だけで治療するよりも高い治療効果があるでしょう。
症状を安定させ、そのひとらしい生活を送っていくためにも、デイケアは活用されています。
日常生活スキル、社会スキルの改善獲得は、自分ひとりでやろうとすると、なかなか始められなかったり、続かなかったり、逆に勢いよくやりすぎて調子を崩してしまうことがあります。
適切なやり方がわからず間違った方法を続けてしまうことや、評価がないため迷ってしまうこともあるでしょう。
デイケアでは、医療機関の専門職が病気や症状の面も含めて多角的にみることができ、振り返り面談を通して活動のフィードバックを行うことができます。