ゴールデンウイークに想う

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。
楽しみにしていたゴールデンウイークは終わってしまいました。しかし、これから梅雨入りの季節は、最高に過ごしやすく好きな季節です。毎年書いているのですが、この時期の夕暮れ時は本当に最高ですよね。のんびりとビールを飲みながら、夕暮れ時の風に当たる。昔なら、さながら縁側で一杯という感じでしょう。こうした情緒は、歳を取るに従い心にしみるものです。今年も、この時期を是非満喫したいと思っています。

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だからというわけではありませんが、ゴールデンウィーク中に近郊の避暑地に泊りがけで出かけて来ました。その宿に泊まるのは2回目でしたが、前回泊まった時の苦手な食材がきちんと記録されていて、夕食にはその食材が出ないように配慮されていました。また、連れの一人に子供がいたのですが、その子供が塗り絵が好きという話題が出たら、夕食後には塗り絵ができる道具一式が届けられていたりと驚くような配慮がなされていました。

もちろん、こうした接客はマニュアル化されているのかもしれません。しかし、こうした行き届いた接客は、なかなかマニュアル化しようと思っても簡単にはできないと思います。多くのチェーン店はこうしたマニュアルがあっても形式化している印象を持ってしまいます。

その宿では、給仕のスタッフにちょっとしたことを尋ねても、主要スタッフ並みのかなり詳しい知識を持っています。前回もディズニーランドの職員についても触れましたが、やはり社員の教育というかトレーニングがしっかりしていることを感じます。たとえば、夕食の給仕のスタッフに、その宿の建物の設計について尋ねても、建築家の名前などきちんと説明してくれました。また、夕食の時に些細なミスがあったのですが、すかさず少々ですがサービスの一品を加えてくれました。結果、そのミスを帳消しどころかプラスに変えているのです。

その宿は接遇の素晴らしさで有名なチェーンではありますが、ここまで徹底しているかと思うと、やはり驚きます。それに比べると当院の接遇はそのレベルには達していないとは思いますが、毎月ミーティングや学習会を開き、当院なりにスタッフの能力の向上には努めております。また、情報をいち早く伝達できるように、個人情報に配慮しつつビジネス用のソーシャルネットワークシステム(LINEのようなものです)を使ってできるだけ迅速に情報共有し、種々の決断を即座にくだせるようにと工夫しています。

しかし、医療は資格制限や規制が多くこうした工夫を自由に生かせないのも実際です。たとえば、遠隔医療などが簡単には実現できないのは、こうした規制や制限が多いためです。スカイプなどのテレビ電話のシステムを使えば、精神科の診療はかなりカバーできるはずなのですが、まだ精神科治療には応用出来ないのが現実です。

とはいえ、とはいえ、以前よりは徐々に規制は少なくなりつつあるので、いずれこうした技術が精神科治療に生かされる日も来ると思います。

前回にも書きましたが、こうした医療状況の変化にも対応できるよう、最新の知識や技術を取り入れてスタッフともども今後も努力していきたいと思っています。静養に行っている時でもこうして仕事のことばかり考えていると、家族にあきられてしまったゴールデンウイークでした。