もうすぐ梅雨ですね

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。

楽しみにしていたゴールデンウイークはあっという間に過ぎてしまいました。でも、今の季節は過ごしやすく新緑も目にまぶしいですね。これから梅雨入りまでの季節は一年で一番好きな季節です。とくに春の夕暮れ時のなんとも言えないあの雰囲気は本当にこの時が止まってほしいと思うくらいです。こんなときは、俳句のひとつでもひねることができればいいのになぁと思います。

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しかし、毎年書いているのですが、なぜかこの季節は病状が悪化する人が多いのです。やはり気候の変わり目で寒暖差も激しく、身体にはストレスなようです。また環境の変化も大きく転勤や異動あるいは入学などがあり、1ヵ月半くらい経過した頃がストレスのピークにもなるのでしょう。この時期には、新しい患者さんも増えますし、通院されている方でもコンディションを崩される方が多いのは毎年経験します。今調子のいい方でも、あまり無理せずに気をつけてください。

外来のみで通院されている方の中にはご存じのない方もいらっしゃると思いますが、当院では精神科デイケアというプログラムを行っています。当院のデイケアには、休職中の方を対象として復職のサポートをするリワーク(復職支援)デイケアと一般デイケアがあります。

一般デイケアは、簡単にいうと精神の病気による障害のリハビリのためのプログラムです。具体的には、仲間を作りたいとか、人間関係をうまくやる訓練をしたいとか、生活のリズムを整えたいとか、あるいは外出の機会を増やしたいといった、心の病気によって活動性が低くなってしまった方のリハビリを行うところです。心の病気によって、家に閉じこもりがちだったり、あるいは生活のリズムが崩れてしまったりしている方の生活を改善するプログラムです。具体的には、皆で運動をしたり、料理を作ったり、話し合いをしたりといろいろ多彩なプログラムがあります。お茶や生け花といったプログラムや映画鑑賞で映画館へ行ったりするプログラムもあります。毎日40人から50人程度の参加者があり活動しています。

こうしたプログラムに加えて、最近スタートしたのはナイトケアでのグループ療法です。ひとつは認知行動療法です。これは、集団で認知療法について勉強するプログラムです。認知療法とは一口では説明が難しいのですが、うつ病などによって生じた考え方の偏りを修正して、うつ状態を改善するプログラムだと考えていただければと思います。主にうつ病の方を対象に、認知療法を通じてうつ状態の改善を図っています。当初はリワークデイケア参加者のみを対象としていましたが、最近は一般の外来患者さんも参加可能となりました。もしご興味やご希望の方がいらっしゃいましたら、主治医または受付に声をかけてください。ご説明できると思います。

ナイトケアグループ療法には、このほか月曜日に行っている運動療法があります。これは、契約しているスポーツクラブにいって当院の職員がトレーナーとなって運動を指導し実施するものです。以前にもお話ししたように、多くの心の病気には運動がその改善に有効であるといわれています。こうした有効性をより効果的に行うのが運動療法です。運動療法プログラムも、一般の外来患者さんも参加可能です。やはり、主治医または受付に尋ねてみてください。このほか、発達障害のグループや創作活動のグループ療法も行っています。

しかし、いずれの療法もすべての患者さんに有効というわけではなく、むしろマイナスに働く場合もあります。このため、希望者すべてが参加できるのではないことをご了承ください。もし、ご希望の方がいらっしゃいましたら、いずれのプログラムも主治医にまず自分に合っているのかどうか、あるいは効果があるのかどうかをご相談ください。

今後もあべクリニックでは、いろいろな角度から患者さんの症状の改善に役立つプログラムを提供できるように日々研鑽に努めていきたいと思っています。