こんにちは。
院長の阿部哲夫です。
まだなかなか梅雨も明けませんが、あと一息です。10日から2週間の間には明けると思うと楽しみです。でも今年は何とか乗り切れそうです。すこしだるい日もありましたが、節酒して、晴れ間を見つけてはウォーキングをするなどの努力の結果か、何とかペースを崩さずにここまでたどり着きました。あと、もう一つ梅雨時の楽しみも見つけました。それは、「雨を眺める」です。好きな音楽を聴きながら家の窓からボーっと外を眺めて雨の降る情景を見ていると、自然に心が落ち着くことを発見しました。そんなことは知っているよといわれそうですが、最近は雨を眺めるのも自分の楽しみの一つに加えることにしました。
最近知人から「なまけものクラブ」というNGOがある事を聞きました。この団体はいわゆるスローライフを提唱している団体です。効率やスピードを競うのではなく、いかに怠けるか、そして自分が必要とするだけの収入や物だけで生活しようと提唱しているそうです。夏至や冬至には電気を消して静かに過ごすといったキャンドルナイトを提案しているのもこの団体です。たしかに、今はコンピューターの時代でいかに速く処理するか、いかに効率よく働くかばかり追求されてきています。コンピューターはどんどん高速化し、便利になっています。気がつくと自分もそのスピードにせかされてしまっていることさえ気がつかないでいます。パソコンがなかなか立ち上がらないだけでイライラしたり、駅の改札でスイカがうまくタッチできなかった人がいるだけでなにか腹を立てたりしていることさえあります。
効率よく速く物事を処理するといったスピード至上主義は、たしかに人類に発展と進歩をもたらしたのかもしれません。しかし、その先にあるのが本当に人類にとって継続可能な社会を作っているのか、地球から人類が消えてなくなる道ではないのか、誰も知らないことだと思います。原発の問題や地球の環境破壊の問題を考えると、こうしたスピード至上主義の結果が、かえって人類を滅亡へと導いている可能性は大です。そして、個人の問題に置き換えてみると、こうした価値観がむしろ人間の精神を蝕んでいるような気がします。たしかに文明化により、飢えや天災の危険から逃れられるようになったことは事実です。しかし、その一方ではこうした効率化やスピード至上主義がうつ病や他の病気をもたらしているという側面は否定できないと思います。
昔のように、多くの人が第一次産業に従事しているような時代では、今ほどうつ病が蔓延していなかったのではないかと思います。もっと人と人の関係も違っていたのではないでしょうか。しかし、人間社会はもう後戻りできないでしょう。これからも進化と発展を追い求めていくのだと思います。だとすれば、少しでもこうしたスピード至上主義の犠牲にならないためにも、こうしたスローライフを少しでも生活に取り入れていくことが大事なのではないでしょうか。競争に勝つだけを求めるのではなく、物質的な豊かさを求めるのでもなく、いかに心豊かに暮らすかとか、ゆっくりとした時間を楽しむことを大事にするとか、こうした価値観を心の片隅にいつも持っていようと思います。こうしたことで少しでもうつ病に陥ることを予防することができればいいですね。
こんなことを、雨を眺めながら考えていたら遅刻しそうになってしまいました。