こんにちは、院長の阿部哲夫です。
気温も少し下がり、酷暑は峠を超えたようです。まだ、残暑で暑い日もあると思いますが、徐々に秋の気配を感じられる日が増えてきています。和食の店にいけば、マツタケやサンマなど、秋の味覚の品書きがみられるようになり、涼しくなったこともあって食欲が刺激されます。今年はゆっくりと、こうした秋の味覚を味わいたいと思っています。
最近のニュースは、やはり台風による関西の被害と北海道の地震です。9月1日の防災の日が終わったばかりというのに、大阪と札幌という、大都市を大災害が襲い惨事が毎日のように報道されています。もし、こうした災害が東京を襲ったらと思うとぞっとします。少し忘れかけていた東日本大震災のつらい記憶もよみがえってきます。
もし、電力水道ガス電話といったライフラインが寸断されたらと思うと背筋が寒くなります。当院は電子カルテで、電力がなければ診察はおろか、過去の処方箋のデータを取り出すこともできません。紙カルテであれば、過去の診療記録は紙ベースであるので、電力の有無は関係ありませんが、電子カルテではそうはいきません。今回の、北海道の地震は意外に簡単に電力供給がストップすることを実感させられました。また、交通機関が止まれば、スタッフの出勤も困難となります。それだけでも、簡単に診療はストップしてしまいます。
もちろん、当院でもこうした災害への備えは、まったくやっていないわけではありません。防災責任者を決め、院内の学習会を使って、災害時のシュミレーションを行ったり、避難場所の防災公園を確認したりは行っております。災害時用の発電機も、購入してありますし、その際の電源供給をどうするかといった話し合いは持っております。薬局もその際は、薬品の供給は可能かどうかも確認しております。わたくしも、遠方に住んでいるわけではないので、何とか診療をする体制は作れるのではと思っています。
皆さんも、この機会を機にぜひ対策を考えていただければと思います。これまでの災害の例をみると、多くの大災害でも数日以内にはライフラインは回復しています。この辺が日本の底力だとおもうのですが、災害直後から復旧作業が始まり数日で最低のライフラインは復旧するようです。この、数日間を何とか乗り切れば、危機的状況は回避できるのではと思います。診療治療における、対策は薬の備蓄とお薬手帳です。ライフラインが断たれると、受診したくても交通手段がないとか、あるいは診療所の再開に時間がかかる可能性もあります。このために、まずは数日できれば1週間は受診しなくても薬がなくならない状況を作っておく必要があります。つまり薬の備蓄です。あと、当院に受診できない場合でも、近所の医療機関や避難所の医療を受ける際に役立つのは、お薬手帳です。現在の処方や、治療に関しての有力な情報になり、処方だけではなくお薬手帳を見れば診断名もある程度推測できます。
こうした災害の報道を見ると、いかに自分たちの日常生活が災害にもろいか実感させられます。日々の暮らしにいつも一喜一憂していますが、こうしたことは災害や大病を患えば一気に吹き飛んでしまうような事柄だと気が付かされます。わたくしも些細なことにくよくよと悩む質ですが、あまり細かなことには左右されずおおらかに物事をとらえて、行動していったほうがいいのではと思うようになりました。こんなことを言っていると、「ずぼらすぎるから、もう少し細かな気配りをしたほうがいい」といったお叱り声も聞こえてきそうですが。