精神科医療における治療方針や治療目標の決め方について書きたいと思います。最近では「SDM(シェア・ディシジョン・メイキング)」という言葉が出てきています。日本語訳は「共同(協働)意思決定」などとされているようです。
医療サービスの利用者(患者さん)と提供者(主に医師)が治療の目標や治療の仕方の好みなどを話し合って、それを共有しながら治療をすすめていくというスタンスです。例えば、剤型(お薬の形)や用量、服用方法などの話し合いもそこには含まれます。
今までのやり方のひとつとして、パターナリズムという考え方があります。治療者側が患者さんの利益のためだとして、本人の意思を問わずに治療・介入などの支援をするスタンスがありました。このスタンスからインフォームドコンセント(十分な情報を得た上での合意)の考え方が一般的になりはじめ、最近ではSDMと移り変わってきています。
精神科治療をする側も支援や援助を受ける側もこういったスタンスの違いを理解しておくことでよりよい援助を探す事ができると考えます。どんなスタンスで治療をしていった方がより自分に合っているのかを援助者と検討してみるとよいと思いました。