いい季節になりました

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こんにちは、院長の阿部哲夫です。

ゴールデンウイークは終わってしまいましたが、今頃から梅雨入りまでは本当にすごし易い季節です。そして、この時期のたそがれ時のなんともいえない雰囲気には心癒されます。当たり前なのかもしれませんが、日本の四季の中でよくぞこの時期に長期の休暇を設定したと感心します。

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デイケアも春のバスハイクとして、GW直前に東京ディズニーシーに行ってきました。皆さんご存知と思いますが、ディズニーランドよりは大人向けに作られていて、さながら夢の国のようです。実際行ってみると、本当に細部までよく作りこまれていると感心しました。その一方で、あまりの現実感のなさに少し不安を感じてしまいました。東京ディズニーシーの中にあるホテルの壁面の窓枠はよくみると実物ではなくペイントしたものですし、古びた木でできた小屋も実は木製ではないのには驚きました。本当によくできているのですが、すべてが虚構でできた夢の国なのです。

私が感じた不安の原因はそこにあるのかもしれません。きれいに整えられていて、ミッキーやミニー、ドナルドなどのかわいらしいキャラクターがいるおとぎの国です。こんなことを言うと、ディズニーのファンには叱られるかもしれませんが、逆に何一つ真実はない場所ともいえるのです。華やかなショーや、魅力的なアトラクション、すべてがディズニーの映画の中の世界がそのまま再現されています。そのおかげもあって、現実を本当に忘れられる場所になっています。デイケアのメンバーと一日夢の国ですごした体験で日常を忘れることができました。

GW中、今年は旅行の計画もなく東京でのんびり過ごしました。3日には急に思い立って小石川植物園に行ってきました。小石川植物園は、ご存じの方も多いかもしれませんが小石川療養所のあった場所でもあり、日本の医学史においても重要な場所です。もともとは幕府の薬草園があった場所で、現在は東京大学が管理運営しています。何十年ぶりかでいってみたのですが、うっそうとした森があるのには驚きました。奥に入っていくと、まるで奥多摩の山奥にでも迷い込んだのではと錯覚します。しかも植物園というだけに、本当に多くの種類の植物があり、さらに多くの植物にその名前を記した名札がついているのです。多くの木々は、一見何の手入れもしていないかのようにごく自然にそこにあるのですが、よくみると同じような種類の木はまとまっています。東京大学の管理ですから、きっと学問的にきちんと整理されているのだと思います。GWのさなかであっても、交通の便が悪いせいもあってさほど混んでいません。わずか、400円の入場料で、春の自然を満喫することができました。今度は、お弁当も持参でピクニック気分で行ってみたいと思っています。

小石川植物園とディズニーシーは、ある意味では両極端な存在だと思いました。すべてを人工で作ったアミューズメントパークと、武蔵野の自然を生かした植物園。その対比は、音楽でいえば、コンピューターでつくった電子音楽とアコースティックの楽器で演奏される昔ながらの音楽にも似ています。どちらがいいというものではないと思います。技術の進歩や文明の進化も大事ですし、昔ながらの伝統や文化を守っていくことも大切だと思います。精神医学でいえば、今の脳科学の知見を取り入れて最新の治療を行っていくことも必要な一方、伝統的な精神病理学や精神分析の知識もないがしろにしてはいけないということでしょう。ちょっと思考は飛躍してしまいしたが、GWはのんびりと過ごせて頭をリフレッシュすることができました。このGW皆さんはどのようにすごしましたか?