秋本番

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。
シルバーウイークも終わり、秋はいよいよ本番ですね。松茸や栗といった秋の味覚も楽しみですし、芸術の秋、そしてスポーツの秋です。

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やはり、この季節のスポーツは最高です。テニスで汗を流しても気持ちよい風が体を冷やしてくれますし、そのあとのビールもおいしく感じます。陽の光も夏の陽差しとは違い優しく、散歩も気持ちよいです。

そのせいもあってか、休日の谷中銀座はラッシュアワーのようです。とくに素敵なお店があるわけではない普通の商店街だと思いますが、なぜか人を引き付けるようです。日本人だけではなく外国人観光客の姿も見え、昔ながらの日本の生活感あふれる活気のある光景が人気なのかもしれません。

先日、デイケアでバスハイクに行ってきました。デイケアのメンバーで参加した方はご存じと思いますが、今回は都内観光をしました。品川のエプソン水族館やお台場の科学未来館などをめぐり、普段ゆっくりめぐることのない都内を見ることができた気がします。

個人的には、観光地然としたところではなくもっと都内の街並みをゆっくりと散歩することが好きです。ちょっとした路地を歩いても、いろいろな発見があります。都心でも新しい建物の中に古い民家が残っていたり、あるいは昔ながらの商店があったりと、新旧入り混じっている光景は興味を惹かれます。もう50代後半になってきたせいか、やはり昔ながらのお店や建物には関心があり郷愁も感じます。そうした意味でも、谷中の街並みは魅力的なのだと思います。

話は変わりますが、先月お伝えしたように9月から認知症疾患医療センターの指定を受け、その活動を開始しました。これまでも、認知症の治療は当院の柱の一つでしたが、従来のうつ病の治療やパニック障害、統合失調症の治療やリハビリとならび、その重要性が増しました。地域の医療機関や介護施設、地域包括支援センターや区役所と協力しながら認知症の対策の一環を担っていく予定です。指定されたという情報が徐々に広がっているためか、対応が困難な認知症の方の受診や相談が徐々に増えてきています。

その活動の一環で、先日荒川区の高齢者福祉課に挨拶に行ってきました。その中で興味を持った話は、全国で問題となっている行方不明の高齢者の問題が、あまり荒川区では起こっていないということでした。もちろん認知症で徘徊してしまうご高齢の方はいるのですが、特に対策はしていないのにすぐに見つかるというのです。

荒川区は、比較的人口が密集している地域も多く、昔ながらの下町の人情も色濃く残っています。こうした、地域のコミュニティーがまだ生きているということも、行方不明のご老人が少ないことの一因かもしれません。

統合失調症のケアをやっていても、同様のことを感じます。かなり重症の統合失調症の方でも地域の方々の支えで、ほぼ独居にもかかわらず入院もしないで生活をしてきている方を多く経験しました。こうした、地域の特性は認知症のサポートにも生かしていけるのではと思っています。地域で認知症への理解を深めることで、すぐに施設に入所するのではなく、限界はあるにしてもある程度のところまでは地域で支えることが可能ではと思っています。

従来の当院の機能に加えて新しい機能が加わることになり、今後はスタッフの充実も予定しています。新しい役割に取り組むだけではなく、従来の当院の機能の充実も図っていきたいと考えています。谷中の街並みのように古いものの良さを残しつつ、新しいものもどんどん取り入れていければと思っています。今後とも、よろしくお願いします。