三寒四温

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。
3月になり、温かいと感じる日も増えてきました。先月は、何十年ぶりの大雪が2回もあり天候が不安定で驚きました。電車が止まってしまい、通勤や通学、通院に大変な思いをされた方も少なくないと思います。こうした異常気象は、地球の温暖化の影響とも言われていますが、こうした現象がこれからは日常とならないことを願うばかりです。しかし、こうした寒さもあとひと月もすれば過去のこととなるかと思うと気持ちが軽くなります。温かくなれば、わたくしの趣味の一つである散歩ができるかと思うととても楽しみです。

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冬季オリンピックもあっという間に終わってしまいました。予想外な活躍もあれば、期待しすぎてしまった競技もあり、悲喜こもごもでした。しかし、わたくしのような凡人には想像もできないような日々の鍛練やトレーニングを4年に一回の挑戦のために継続することは本当に敬意を表したいと思います。当たり前ですが、モーグルスキーにしても、ジャンプにしてもスノーボードのハーフパイプにしても、いずれの競技すべてにわたってその真似事すら不可能な技術です。こんなアクロバット的な動きができるだけでもすごいのに、世界のトップレベルで互角に渡り合っている。それだけでも、冷静に考えると本当にすごいことです。それでも、我々はアスリートに勝手に期待してしまい、ちょっと成績が振るわないと落胆するのです。某元総理大臣が、暴言を吐いていましたが、彼が何かスポーツいや政治の世界でも何か実績があったのかと聞いてみたいものです。

話は変わりますが、先日脱法ドラッグに関する講演を聞く機会がありました。脱法ドラッグとは、覚せい剤や麻薬のように精神に作用し依存性のある物質であるにもかかわらず、法的に規制されていない薬物のことです。違法ではないために堂々と店頭で売られており、法律で規制してもまた別の物質が開発されるといういたちごっこになっているといいます。演者の松本先生によれば、脱法ドラッグは、覚せい剤などの従来型の依存性薬物に比べて乱用者の年齢が若いとのことでした。暴力団などの関与も比較的少なく、違法ではないということで気軽に使用する人があとをたたないし、その一方でその作用は大麻や覚せい剤よりも強力でより危険性が増しているそうです。こうした薬物は従来の違法薬物よりも強力なため、むしろ従来の薬物をアメリカのように規制を緩くしたほうがよかったのではないかという説もあるくらいであるといいます。先日も九州で脱法ドラッグをやったうえで交通事故を起こした事例が報道されています。

確かに今は価値観も多様化し、何を生きがいにしていいのかわからない若者が増えているのでしょう。オリンピック選手のように、自分が世の中に認められる分野を見つけられた人は幸せなのかもしれません。勉強もできない、音楽もスポーツも芸術にも才能がない、まじめに働くことも難しい、こうした若者にとっては今は目標や生きがいを見つけるのは大変な世の中なのかもしれません。だからと言って酒やギャンブル、ネットゲームや薬物に逃げてしまうの安易です。しかし、こうした依存行動を単に禁止し制限するだけでは解決にはならないことも事実です。見方を変えれば、アスリートはスポーツ依存症なのかもしれません。しかしこうした良性の依存は誰からも非難されることはありません。精神論や法律で禁止するだけではなく、こうした依存行動に逃げないで済むような目標や希望を社会全体がどう提供できるのかを真剣に考えなければいけないのではないでしょうか。