公認心理師

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昨今、『心の健康』というフレーズをよく見かけるようになりました。21世紀の日本を、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会にするために…と国から方針が出されて以降のことです。身体の健康だけでなく心の健康も重要だと広く謳われ、重点対策をすべき疾病にも精神疾患が加えられました。現在では、①病気になることを防ぎ、②病気になっても早めに発見・対応し、③再発しないように努めていこうとする『3つの予防』が重視されるようになっています。 

公認心理師領域図

心理分野では、これまで、臨床心理士をはじめとする臨床心理技術者が多数活躍してきました。心理士やカウンセラーとは各心理学会がそれぞれ定めた民間資格であり、国家資格はありませんでした。議論の末、平成27年9月に成立・平成29年9月に施行されたのが『公認心理師法』です。心の健康の保持増進を担う心理専門職として新たに定められた『公認心理師』は、心理分野で初の国家資格となりました。

心の健康に対する支援と言われると、当院のような精神科・心療内科にかかられている方への支援を想像される方が多いかもしれません。しかし、心理支援の対象分野は医療だけではありません。保健医療のほか、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働と多岐に渡ります。今までもこれらの分野でも心理職が配置されてきましたが、これまではその特定分野での専門性がより重視される傾向がありました。公認心理師はこの5分野のすべてに対し広く知識を持ち、それぞれの分野で専門性を発揮しつつも、分野を横断して連携を取れる包括的な支援チームの一員として関わっていくことが求められています。

公認心理師の第一期試験は今年9月に行われます。臨床心理士との差異や位置づけ、診療報酬での取り扱いなどもまだまだ議論の最中ですが、心理支援を必要とする方や予防の対象となる方に対し、よりよい支援を行うための『あり方』について考えることが大切なのではないでしょうか。考えを巡らせながら、試験に向けて気持ちを新たに邁進してまいります。

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