遠くまで歩きたければ

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あけましておめでとうございます。精神保健福祉士の梅津です。いきなり舞台裏を披露してしまいますが、スタッフリレーエッセイ欄の執筆者に窮するとき、編集担当が自ら紙面を埋めることも、たまにあります。

昨年一年間を振り返ると、当然、大好きな将棋関連の記事を書きたいところですが、ここはグッとこらえてこれまで働いてきて思ったことなどを書いてみようと思います。

美術大学を卒業して、仕事も美術関係の同僚ばかりだった私は、それこそ当院が最初の社会人らしい職場でした。入職当時は初めての体験ばかりで、そのときから来年の7月でちょうど10年が経ちます。 

美術業界とは全く違うところは、チームとして働くというところです。作品作りは、一人で潜水していくようなもので、答えは自分の中から生み出すようなところがあります。対して、当院のように多職種、多人数で働く、ということは、答えをダイアローグ(対話)のなかで探していくことが多いように思います。モノローグ(独り言)からダイアローグの世界へ。私にとっては劇的な変化でした。

「速く歩きたければ、一人で歩け。遠くまで歩きたければ、誰かと一緒に歩け。」というブルキナファソの古いことわざが身に染みます。とはいえ、歳をとり、この言葉は、どちらかを否定するものではなく、どちらかに偏るというものでもなく、いつでも中間地点に戻れる事の方が大切な気がしている今日この頃です。