鬼は外

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。
節分も終わりすこし暖かな日も増えてきた感じがします。最近は、節分といえば恵方巻きを食べるという習慣が定着しつつあるようですが、私が小さいころはせいぜい豆を年の数だけ食べるといったささやかな楽しみだけでした。
しかし、世の中豊かになったせいか、あるいは豆では売り上げにならないせいか、なぜか今は高価な太巻きをほおばるという贅沢にかわってきているようです。しかし、恵方巻きの売り上げにノルマがあったり、インフルエンザが猛威を振るっていたり、アメリカでは赤鬼がいろいろな命令を出しては世間を騒がすなど、気を緩めていると鬼はどこにいるかわかりません。今年も豆まきで何とかこうした鬼を退散させたいものです。

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世間はこのように騒がしくても、当院だけでも平和にいきたいと思っていましたが、そうもいかないようです。認知症疾患医療センター関係では、今月から認知症初期集中支援チームがいよいよ稼働します。認知症初期集中支援チームとは、当院におかかりの方には直接関係はないと思いますが、たとえばお一人暮らしの認知症の方などで、医療機関や介護支援事業所などにつながっていない方に対して、スタッフが訪問し、状態を評価したうえで介入の計画を立て、医療機関や介護保険サービスにつないでいくというものです。
国の施策で、各市区町村にチームを発足させることが義務づけられているもので、荒川区では当院が委託を受けました。いろいろな意味で、介入が困難な方が対象となるため、大変な事業ではありますが、やりがいのある仕事だと思っております。

また、先月もお伝えしましたが、オレンジカフェの運営も計画しております。オレンジカフェとは、認知症の当事者の方や介護者の方などの交流や情報交換の場です。月に一回ではありますが、当院の近くに場所を設けて、こうした交流の場をご提供していき地域貢献を図っていきたいと考えております。まだ日程は未定ですが、4月のスタートを目指して準備中です。決まり次第、当院の掲示や区の広報などでお知らせできればと思っております。

さらには当院の活動のもう一つの柱でもある、精神障害者の社会復帰にむけてのリハビリテーション活動においても、新しい試みが始まっています。かねてからお伝えしているように、就労継続支援B型事業所の開設です。
現在はほぼ場所も決定し、いよいよ設計の段階に入っております。また現在検討中ですが、事業の内容もすこしずつ形になりつつあります。精神科デイケアだけではなく、こうした福祉サービスの事業を展開することで、より当院の利用者の方々に幅広いサービスを提供していけるのではないかと思っております。従来型の作業所ではなく、「参加メンバーにとっての自己実現の場を提供する」という高い理想を掲げて活動していきたいと思っています。なんとか、1日も早く開設にこぎつけたいとの思いで6月の開設を目標に担当スタッフが努力している最中です。

1月からは、当院スタッフにも大勢の新しいメンバーに加わりました。外来診療部門には木下医師、デイケアには渡看護師と光仙精神保健福祉士、そして外来事務には平井さんと実に4名が新規に入職しました。幸いなことに皆さん、精神科では豊富な経験を持っている方ばかりで即戦力としてすでに活躍してもらっています。こうした新しい力も加わり、今年も鬼を退治して福を皆様にもたらすことができればと思っております。