花見の季節です

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。

4月に入り、ようやく暖かくなりました。桜も満開で気分が華やかになります。これまで続けてきた朝の散歩ジョギングも、楽しみが増えました。
しかし、この季節は環境の変化も大きく、ストレスも大きいせいか、なぜか毎年調子を崩したり、新たに受診したりする方が増えるようです。生活のリズムを崩さないことや、不調になってもこの時期を乗り切れば何とかなると楽観的に考えることも重要です。私も体調を崩さないようにして、また飲みすぎに気を付けて花見を楽しみたいと思っています。

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最近目に付くのは、とにかく街のあちこちの建て替えの工事です。クリニックの近くでは個人の住宅や商店、都心に行けば大規模な再開発高層ビルの建設がされています。まるで、高度成長期のような有様です。確かに、高度成長期前回のオリンピックの前後に建てられた建物が寿命になっていることもあるのでしょう。

金利の安さや2020年の東京オリンピック開催も、この現象を後押ししていると思います。しかし、何か街の様相がどんどん変わっていってしまうことには、一抹の寂しさも禁じえません。そこに住んでいる人にとっては、快適な生活を志向して建て替えているのですから、傍観者が勝手なことを言うのはどうかと思いますが、町の様子がどんどん変貌していってしまうことで、失うものも少なくないように感じます。

たとえば、日曜祭日には谷中銀座は人でごった返していますが、もしあの町がビルで囲われた、こぎれいでおしゃれな街並みに建て替えられてしまったら、あれほどの人は集まらないと思います。昭和のにおいのする街並みを、歩くだけで安心するのは私だけでしょうか?

なつかしい、セットのような街並みを見ていると、それだけで気分がなごみます。確かに、ららぽーとのようなショッピングモールも便利でいいのですが、こうした気分にさせてくれることはありません。生活のにおいがして、活気のあふれる街は人を元気にしてくれるのではないでしょうか?

先日、ある方から、原発事故の放射線汚染からの避難者の話を聞きました。現在は、自分の故郷にも帰ることができず、団地のようなところに住んでいるそうです。しかし、そこには活気や笑いは感じられなかったといっていました。それは、人工的に作られた住居には、長い歴史が作ってきたコミュニティーがないことが、一因ではないかと思います。逆に、下町はこうしたコミュニティーがしっかりと残っていることが魅力です。

新しいものの中にも古いものが混在し、年配の方だけではなく若者も新しく住み始める。お店の新陳代謝もありますが、シャッター街となることはありません。とくに、谷中銀座あたりはこの10年で半分以上の店が様変わりしていますが、古い町並みを生かした新しいお店がどんどんできています。現に、一番人気のかき氷屋さんは、新しくできたお店で多くの観光客を全国から引き寄せているようです。

当院もこれにならって、いままでの診療を生かしながら、新しい試みもどんどん取り入れていきたいと思っています。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。この、4月からの診療報酬改定で、厚生労働省があたらしい診療のルールを作りました。それは、「原則として精神科の薬(うつ病の薬と精神病の薬、抗不安薬と睡眠薬)は2種類までの使用とする」というものです。このようになったのは、副作用の問題や依存性の問題のほか、財政的理由もあると思います。なかには、こうしたルール内では治療が困難な方もいることも事実です。しかし、厚労省の方針なので当院も例外ではありません。受診中の皆様には、減薬をお願いする方も出てくると思いますが、なにとぞご理解のほどお願い申し上げます。