本格的な秋ですね。

Pocket

こんにちは、院長の阿部哲夫です。
最近は朝晩涼しくなり、夏の暑さが少し恋しく感じられます。まだ、彼岸前なのでまた残暑もあると思いますが、それもこの夏の猛暑に比べればと思うと何とか乗り切れそうです。しかし、過ごし易くなってきている反面気候の変化が大きいせいか、何かだるさを感じたり、すこし憂鬱になる患者さんが少し増えてきている印象もあります。例年感じることですが、真夏や真冬は比較的病状が安定する傾向があるのに対して、秋口や春先は病状が不安定になりがちな方がいらっしゃるようです。なんとか、おいしいものでも食べて乗り切っていきたいと思います。

DSC_0315

最近の話題は、やはりテニスの錦織圭選手の全米オープンでの活躍でしょう。残念ながら、準優勝でしたが、グランドスラムで決勝まで進んだのはまさに快挙としか言いようがありません。テニスのようなメジャーなスポーツでランキング10位以内にはいるのは並大抵の才能ではないと思います。にわかに錦織モデルのテニスウエアやラケットが売れているようです。しかし気持ちはわかりますが、同じ用具を使ってもテニスがうまくなるわけではないのは言うまでもありません。長年テニスをやっていて思うのは、やはり自分のレベルにあった用具を使いこなすことが重要であるということです。

話は変わりますが、最近はどうしたらうつ病の再発が予防できるかについて考えることがしばしばあります。規則正しい生活や十分な睡眠、暴飲暴食を避けること、酒もほどほどにすること、適度な運動をすることなどなど…。こうした日常の生活の工夫はもちろん大事だと思います。しかし、そうしたことだけではなく何か根本的な考え方の転換が必要だと思うのです。こうした発想の転換を理論化したものの一つが認知療法ですが、なにかそれだけでは何か足りないのではないかといつも感じていました。認知療法で思考や認知の歪みを修正しましょうとよくいわれます。しかし、「わかっちゃいるけどやめられない」のが、そうした思考パターンです。認知のゆがみについて分析してその歪みを論理的に訂正するのが認知療法ですが、論理的には分かっても感情的には受け入れられないことも多い気がするのです。では、その感情そのものを湧きあがってこないようにするにはどうしたらいいのか?そのためには、自分の中にある価値観そのものを変えていかないといけないのではないでしょうか。

それはどういう価値観でしょうか?たとえば、偉くならないといけないとか、人より多く収入を得ないといけないとか、物事は効率的に行わないといけないとか、目的地には早く到達しないといけないとかなどです。これは、現代の効率主義、成果主義にはなくてはならない価値観であり、こうした価値観の結果が人類の進歩であり生活の向上につながっています。しかし、こうしたものを捨てることができたらどうでしょう。もちろん、一定の収入を得ることや会社が利潤を追求すること、人が効率よく生活することなどはある程度必要だと思います。しかし、本来の目的はそれではないと思います。こうしたことは、あくまでも、人が楽しく生きるための手段にすぎないのです。こうしたことを追求するあまりに、人の幸福な生活を犠牲にしていることが少なくないと思います。でもこれは本末転倒です。しかし、こうした効率や成果を価値だとする自動思考に人間が翻弄されていることも多いのではないでしょうか?最終の目標目的は人類の幸福にあることを思い出して、時には効率主義や成果主義を犠牲にすることも必要なのではないでしょうか。十分な休息を取りつつ、そして自分の楽しみも尊重しつつ生活する。仕事や家事やしがらみのための努力を一時休んでみることも必要なのではないでしょうか。

だからというわけではありませんが、わたくしはテニスの勝敗にはこだわらないことにしています。勝っても負けてもテニスを楽しむことが目的なのですから。勝っても負けても自分の納得するプレーをめざしたいと思っています。といいながらも、テニスショップに行くと、新しいモデルのラケットになぜか目移りしてしまうのです。まだまだ修行が足りないようです。