春爛漫ですね

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花見の時期もすぎ、花粉症もやや下火になってきたようです。しかし、気温の寒暖差も激しく来ていく服に迷う時期です。こうした時期には、体調も崩しやすく精神面でも不安定になりがちです。また、転勤や異動などもあり社会的環境も変わる時期です。わたくし自身も、この時期にはなにか胸がざわつく感じもして不安定さを感じることがあります。

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しかし、その一方、新緑も美しく行楽には絶好の季節です。先日もデイケアでバスハイクに出かけてきました。目的地は横浜ズーラシアという動物園と八景島シーパラダイスです。やや、天候が崩れ少し大変な思いもしましたが、一日ゆったりとした時間を過ごすことができてリフレッシュできました。目に青葉といいますが、本当にこの新緑にふれると不思議と気持ちが穏やかになりますね。

話は変わりますが、皆さんは社交不安障害という病気はご存知でしょうか?ほとんどの方は、聞きなれない言葉だと思います。われわれ専門家でも、認知されるようになったのはここ10年くらいで、それまではあまり病気として認識されていなかったものです。これは、簡単に言うと重度のあがり症や対人恐怖症と重なる病気です。

たとえば、人前でスピーチすることが緊張のあまりできないとか、人と一対一で話をすることが苦手であるとか、他人と会食することができないといったような症状を呈する病気です。無理にこうしたことをやろうとすると、ひどく汗をかいたり動悸がしたり震えたりするために、こうした行動を避けようとしたするなど社会生活に支障を生じてしまいます。

日本人にはこうした上がり症は多く、人前で話をしたり、見知らぬ人と会話したりすることが苦手な人は多いと思います。かく言うわたくしも、若いころにはやはり人前で話をすることが苦手でした。学会で発表するのもいやでしたし、講演を頼まれても断ることが多かったと思います。しかし、年齢を重ねるにしたがって、こうした機会も増え場数を踏むことで何とか克服してやっています。とはいえ、いまでもこうした機会はできるだけ必要最低限にとどめるようにしていますし、みずからすすんでやることはなく、人から頼まれてしぶしぶ引き受けているのが本音です。

しかし、最近はこうした状態も治療が可能なことがわかってきました。多くのSSRI(うつ病の薬の一種)を用いることでかなり改善できるのです。この治療効果は、うつ病に対する効果よりも高い印象を持っています。抗鬱剤のうつ病に対する有効率が70%くらいであるとすると、社交不安障害では80%かあるいはそれ以上の効果があると思います。

もちろん、病気としての重症度はうつ病よりも軽いことも一因だと思いますが、かなりの有効率です。これまで、上がり症とか赤面症といって心の持ちようとか、訓練で克服できると病気扱いされてこなかった病態ですが、れっきとした病気であり、かつ治療可能な病気です。わたくしも、若いときにこの薬の存在を知っていたら、こんなに苦労しなくて済んだのかもしれません。もし、皆さんや皆さんのお知り合いでこうした状態で苦しんでいる方がいらっしゃいましたら、治療法があることを知らせてあげてください。