秋の気配

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こんにちは。院長の阿部哲夫です。
ついこの前まで、夏真っ盛りかと思っていましたが、9月を目の前にして気温がぐっと下がり急に秋の気配です。夕方になると、少しひんやりとした風を感じることがあり、また虫の鳴き声も秋めいてきているようです。あれほど、酷暑を嫌がっていたのに、夏ももう終わりかと、名残惜しい感じもします。お盆休みも過ぎ、いろいろな活動も休止状態だったものが再開され、なにやら気忙しくなってきました。気温が下がってきたので、また朝のサイクリングを再開しようと思っています。秋の上野公園の変わりようを、日々見ることができるかと思うと楽しみです。やはり、秋の紅葉は東京でも十分楽しめるのではないでしょうか?

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東京といえば、国立競技場の建設費の問題がマスコミで報道されています。当初の予定がどんどん膨らんで一時は2500億円とも3000億円ともいわれていました。しかし、こうしたことは、個人のレベルで考えると理解に苦しみますね。家を建てるのに、予算が1500万円しかないのに、2500万円の家を建てることなど考えられません。身分不相応な家をデザインがいいからと見栄のために、建てる人などいないでしょう。こうした、非常識なことは、民間の企業であっても、やはり考えられません。費用対効果を考え、採算性を検討し、なおかつ十分にコストカットをしたうえで、発注するのは常識でしょう。

このような議論は、すでにテレビなどで討論されているので多くは述べません。すべての公的事業を行政だけでやるのではなく、やはり民間でできることは、民間に任せるべきなのでしょう。

こうした流れもあったのだと思いますが、今年の春に厚労省および東京都が公立病院だけではなく広く民間の医療機関にも声掛けをして、従来あった基幹型認知疾患医療センターに加えて、地域連携型認知疾患医療センターを公募しました。詳しくは、別掲の記事で説明いたしますが、各区ごとに一か所認知症治療のセンターを作り、センターを中心として各区の認知症の治療体制を整備し、認知症に関する医療機関や介護施設や行政のネットワークの構築や、啓もう活動や教育活動を行っていくというものです。あまり一般の方には知られていませんが、厚労省が作成した新オレンジプランという今後の高齢化社会への対策の目玉となる組織です。

荒川区には、精神科の病院はなく、また総合病院の精神科病床も全くありません。総合病院の精神科としては、東京女子医大東医療センターの精神科外来があるのみです。こうした、地域の事情もあったのか、当院がこの地域連携型認知症疾患医療センターに指定されることになりました。もちろん、当院は認知症だけの専門クリニックではありません。むしろ、治療の中心としている疾患は、うつ病やパニック障害や躁うつ病、発達障害あるいは統合失調症といった精神障害です。同時に、私自身精神科病院の勤務医時代に認知症専門病棟も担当している時期もあったため、認知症は治療の柱の一つとして活動してきました。開業以来、区の精神保健相談と並行して認知症相談も長年担当してきました。こうした実績が認められたことが、今回の指定につながったと思っております。

荒川区の認知症対策の重要な部分を担う事は、当院のような1クリニックには重責とも思いますが、これまでもお世話になってきている地域の認知症医療に微力ながらも少しででも役立てればと考えております。これからも、よろしくお願いいたします。