放射能騒ぎに思ったこと

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こんにちは。
院長の阿部です。

楽しみにしていたゴールデンウイークも終わってしまいました。しかし、今年のゴールデンウィークは例年とは雰囲気がかなり違っていたようです。私も、東京に残り近くの公園や美術館巡りなどしてのんびり過ごしていました。こうしてみると、東京で過ごすのも悪くありませんでした。しかし、これからはじめじめとした梅雨の季節の到来です。私は、例年この季節に体調を崩すので用心したいと思います。みなさんはいかがでしょうか?


最近の心配は、やはりズバリ放射能でしょう。毎日、何とかベクレルとかシーベルトといった聞きなれない単位を耳にします。そして、これは基準値の何万倍だとかといった数字が踊っています。一時は水道水や、野菜が危険とされ、茨城県産の野菜は現在でも普段の半値で手に入れることができます。しかし、新聞の報道が真実だとすれば、現在の放射能の量は、避難勧告が出て立ち入り禁止になっている地域を除けば、ほとんど健康への影響はないとされています。また、一定の被ばく線量を浴びたとしても、発がん性の上昇は、タバコの副流煙を吸った程度以下と言われています。つまり、被ばくしたとしても、タバコを直接吸うよりは発がん性は低いのです。

そういう意味では、人間は本当に面白い行動をとると思います。今のところでは、それほど危険が迫っていない放射能におびえながら、タバコを吸っている人がいるのは私には奇異に見えて仕方ありません。もちろん、タバコを吸ったとしてもすぐにがんになるわけではなく、愛煙家の方々にすぐにやめなさいと言っているわけではありません。しかし、放射能にあれほど敏感なのに、たばこに鈍感なのが不思議に思えるのです。タバコが恐れられず、放射能がこれほどまでに恐れられるのは、やはり放射能が目に見えないからであり、その実態が実感できないからではないでしょうか?つまり、幽霊やお化けみたいなものです。こうした正体不明さが、人々の不安を掻き立て回避行動をとらせているのでしょう。

同じことが、精神の病気についても言えるのではないでしょうか?精神障害者というだけで、なにかと偏見を持たれることが多くあります。当院の入っているオフィスビルでも、何かちょっとしたことがあるとすぐにクレームとなって、管理会社から連絡が来てしまいます。たとえば、デイケアの患者さんが間違って別の階で降りてしまい、ちょっと歩いただけでも文句を言ってくる会社があります。文句を言うのではなく、そのデイケアメンバーに階が違うと案内してくれるだけで十分だと私は思うのですが、いかがでしょうか?やはり、これも精神の障害というだけで無知から来る誤った考えに支配されている方が、現在でも大勢いることの一つの証拠でしょう。情報が氾濫し、教育がある程度は行きわたっていると思われている日本でもこうした現実を突き付けられると、本当に悲しくなります。こうした悲しいことが起こらぬように、我々専門家がもう少しいろいろな情報を発信していければと思いますし、マスコミももう少し協力してもらえればなあと思います。

最後に、多くの方に義援金のご協力をいただき、本当に感謝しております。額の多さに驚きました。皆様から寄せられました義援金は、5月17日現在で58,774円となり、日本赤十字社を通じて一度目の寄付をさせていただきました。また、当院の北村医師が今月末ごろに、宮城のほうに診療に行かれます。また、これについても現地の様子など、ご報告できればと思っています。