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よくある質問

うつ病で治療していますが、不調が続いていて休むかどうか迷っています。どうしたらいいでしょうか?

まずは主治医に相談しましょう。
「明らかに意欲が出ない」
「落ち込むなどの症状が強い」
「年次有給休暇の範囲を超えて欠勤してしまっている」
「業務遂行能力にも支障がでている」
「家にいても気が休まらず、眠れない」
上記のような業務上の問題や生活上の症状を具体的に伝えて、主治医の判断を聞くことが重要です。


再発防止をするための方法はどんなものがありますか?

通院・指示された服薬を守り、治療をおろそかにしないことです。さらに投薬治療と並行して認知行動療法などの心理療法(カウンセリング)を受けることが効果的です。ストレスに対処する方法としてセルフリラクゼーションやストレスコーピングといったものがあります。復職後もいくつかの対処法を組み合わせて、ご自身にあった方法を続けていきましょう。


うつ病で治療をしている時に利用できる制度はありますか?

     

公的医療負担制度として、自立支援医療制度があります。主に精神科での通院継続治療が必要な方のためのもので、医療費の自己負担額を軽減する制度です。申請登録された医療機関と調剤薬局のみで利用できます。当院の登録があれば、リワークデイケアの費用も適用されます。
申請には必要書類がいくつかあります。主治医記載の自立支援医療制度専用の診断書もその中に含まれます。申請窓口は市区町村の障害福祉課や保健センターなどです。詳しくは主治医にまずご相談ください。
参考 自立支援医療制度の概要厚生労働省ホームページ


メンタルヘルスの問題で休職した労働者が職場復帰するための流れは?

厚生労働省が出している「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」があります。厚生労働省のホームページでも公開されています。
第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
参考 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き厚生労働省ホームページ


うつ病などの精神疾患で休職してから復職するまでのプロセスは?

プロセスはおおまかには以下のようなものです。
急性期(休職開始)〜準急性期〜回復期〜準備前期〜準備後期〜復職期です。

急性期:治療開始しまもなく、症状が強く安定していない時期。この時期は休養と治療が必要です。疲労回復・症状安定を目指します。投薬治療のほか自宅での安静が必要な時期です。リワークデイケア通所や集団認知行動療法はこの時期での導入は時期尚早とされます。開始時期は主治医と相談して身長に判断しましょう。

準急性期:主な症状は比較的改善されたもののなんらかの症状が残っている時期です。外出や家族以外との交流ができるようになってきますが、無理すると症状がぶり返してしまう時期です。この時期からは限定的ではありますが、当院では負担の少ないステップ1のリワークデイケア参加が導入が可能です。ただし、主治医とよく相談し指示をもらった上で参加しましょう。

回復期:夜間の睡眠時間や日中の生活・活動時間がある程度安定させることを目標とする時期です。症状が落ち着いたら、少しずつ日中の活動時間を増やしていきます。普段の買い物などの外出のほかに、負担の少ない散歩やストレッチなどを取り入れてみるのもよいかもしれません。

準備前期:準備前期:症状が落ち着いて、以前と同じように日中に活動できるようになってくる段階です。この時期になると「復職しても大丈夫」という考えが浮かんでくる方が少なくありませんが、これが落とし穴です。ストレスがない中で生活をしているため、準備を何もせずに戻って負担がかかると再発しやすい状態です。復職への準備として対処法の検討や疾病への理解などがされていない場合は、リワークデイケアへの参加を主治医や産業医から勧められることがあります。個人で図書館通い・認知行動療法の自己学習・通勤訓練など個人リハビリをされる方も増えてきています。

準備後期:リワークデイケア通所や個人リハビリを行い、会社と復職について具体的な話し合いをしていく時期になります。産業医・保健スタッフや人事・上司らと面談を重ねていきます。産業医は職場の安全衛生を維持することを目標としており、一定の基準やその他の復帰の条件を満たしていない場合、復職を認めないケースも少なくありせん。また復帰については元部署に戻ることを原則としているところが一般的で、不適応があった場合、適応し業務を遂行できるための対処法を求められることが多くなってきています。リハビリ勤務や出社訓練などの制度があれば活用しましょう。

復職期:職場復帰となりますが、はじめは負担の少ないもの、できるものからといった配慮がされた業務指示が来るところがありますが、そういった配慮をしてもらう形で戻るケースと、配慮なしで業務遂行が可能な状態まで回復していないと戻れないケースなどもあります。復帰後は指示された服薬・通院を中断しないようにしましょう。
またストレスが少しずつかかり始めますし、だいたい2〜3ヶ月目くらいが一番きついという声をリワーク卒業者から聞きます。ストレスがかからないということはあり得ないのです。負担がかかって心が揺れても対処を検討できる余裕がある程度で復帰できるとよいでしょう。
当院ではリワークデイケアを卒業した方のためのOBプログラムを、1ヶ月に一度、土曜日に開催しています。フォローアップとして利用できます。


うつ病の再発率を教えてください。

うつ病の再発率60%と言われています。双極性障害についてはもう少し再発率が高いとされて、精神疾患の多くは一度再発すると再発率が上がるとされています。職場復帰までのプロセスで回復期以降の方は、個人リハビリやリワークデイケアなどのリハビリ施設を利用することを主治医がお勧めすることがあります。また休職回数が複数回、休職期間が長期にわたる方には産業医からリワークデイケア利用と卒業が条件になるケースが増えてきています。


復職支援プログラム(リワークデイケア)とはなんですか?

うつ病など精神疾患で休職された方を対象としたデイケアです。復職後の再発防止策の検討を目的としたプログラムです。生活リズムの改善、症状・体力の回復、疾病理解・特性理解、発症要因の自己分析、対人関係能力の改善を目標としたプログラムが組まれています。


リワークデイケアの開始時期の目安を教えて下さい

急性期の方は治療を優先させてください。開始時期は回復期以降が目安です。主治医と相談の上、お問い合わせください。復職までの流れについてに回復期など詳細な説明があります。


リワークデイケアの利用は主治医変更をしなくてはいけないですか?

当院のデイケアは主治医を変更しなくても参加できます。当院以外のクリニックや病院が主治医の方の場合、参加について主治医に相談してからご連絡ください。


リワークデイケアに参加するまでの流れを教えてください

当院が主治医の方は主治医にまずご相談ください。他院の方は参加可能な状態かどうかを主治医と相談の上、当院外来までお電話ください。
施設見学をしていただいた後、休職の状況についてお伺いします。
他院主治医の方は診療情報提供書と当院リワークデイケア医の診察が開始前に必要になります。終了後、施設利用についての説明や規則などについて説明をするオリエンテーションを受けていただきます。
試験参加後、利用開始となります。


リワークデイケアはどれくらいの期間をかかりますか?

平均的な利用期間は3ヶ月〜6ヶ月です。利用期間を定めている施設もありますが、当院は利用期間を定めていません。ただし最長利用期間は1年とさせていだだいています。それを超える場合は、リワークデイケア医や担当者と面談してその後について検討します。


職場復帰の条件を教えてください。

職場復帰の可否については主治医の復帰可能診断書を元に産業医が判断をします。職場復帰をする意欲や業務遂行の可能性などを評価されます。以前までは主治医復帰可能の診断書があればそのまま復帰できる職場が多かったかもしれませんが、最近は完全に回復していること、フルタイムの業務に耐えられることなど求められることが増えてきています。
その為、主治医やご自身だけが復帰可能であると判断しても復帰が難しいと判断されるケースもあるため、認知行動療法が実践できているか、希望しない課題でも取り組んでも集中できるのかなど負荷をあえてかけていくリハビリが必要になることもあります。


リワークデイケアを卒業するための課題はありますか?

当院のリワークデイケアの卒業条件としては、『休職の要因分析と再発防⽌策の検討レポート』の提出が求められます。


リワークデイケアを卒業し復職後にサポートがなくなるのが不安です。復職後もサポートを受けられるのでしょうか?

リワークデイケアを卒業した方のためのOBプログラムを、1ヶ月に一度、土曜日に開催しています。フォローアップとして利用できます。


参考資料・文献
心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き 厚生労働省
こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 厚生労働省
「働く人のこころのケア・ガイドブック」福田真也 金剛出版 2019