Care of Sleep Disoder
睡眠障害の治療について

あべクリニック 内田 直
日本睡眠学会睡眠医療認定医師
(早稲田大学 教授)

睡眠障害とは?

睡眠の病気(=睡眠障害)は多岐にわたっており、米国睡眠医学会の最新の分類ICSD2では約90に分類されています。しかし、分かりやすく大きくわけると、次の3つの問題があります。

1.眠れない、昼間眠い、眠り過ぎる
なかなか寝付けない、途中で何度も目がさめる、いくら寝ても昼間眠い、などの状態が続く場合です。最初に昼間の眠気が主訴となる睡眠時無呼吸症候群も、昼間眠い疾患の一つです。

2.眠る時間帯の問題
社会生活上望ましい時間に寝起きができない状態です。

3.眠っている間の行動の問題
ねぼけなどの異常行動、異常運動、あるいは歯ぎしりや夜尿など。

主な睡眠障害

たくさんある睡眠障害のなかから、主だったものをご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に繰り返し呼吸が止まり、大きないびきとともに呼吸が回復する病気。深く眠ると気道が塞がって呼吸ができず、 眠りが浅くなります。しかし、本人は夜中に息が苦しいという実感はなく、主な訴えは昼間の眠気になります。このため高血圧になったり、著しい睡眠不足によって、昼間強い眠気が起こります。 肥満者や顎の小さな人がなりやすいようです。

時には、うつ状態や、眠っても疲れが取れないということで、睡眠薬を投与されてから来院される方も居ます。睡眠薬は、無呼吸を悪化させる場合もあり、専門医による正確な診断が大切な疾患でもあります。

治療は、軽症であれば食事療法・運動療法で体脂肪率を減らす。咽頭の炎症を防ぐためタバコをやめる。アルコールをやめる。また、横向き寝やマウスピースによって気道が閉塞するのを防ぐなどの方法があります。中等症以上になれば、シーパップ療法と言ってマスクをつけて気道が閉塞しないようにして眠る方法をとります。この方法も、医療保険の範囲内で出来ます。 治療によって、日中の気分がとても改善して集中力が増すケースが多く、是非専門的な診断治療を受けましょう。

 

過眠症

夜間に十分な睡眠をとっていても日中の眠気が強く、しばしば居眠りするもの。
この代表的な疾患であるナルコレプシーでは、眠気だけでなく情動脱力発作 (笑ったり、怒ったり、びっくりしたときに体の力が抜ける)がみられる場合があります。

 

過眠症には他にも様々なものがありますが、専門医による診断によって、是非適切な治療を受けて下さい。

 

不眠症

睡眠障害の代表といえる症状で、十分に眠る時間が確保できていても眠れない状態で、十分に眠る時間が取れない睡眠不足とは区別されます。夜の寝つきが悪く、 眠ろうとするとかえって目が冴えたり、途中で目がさめてしまう、朝早く目が覚めるなどの症状が続くものです。睡眠導入剤などでの治療も行いますが、生活の改善や睡眠へのこだわりをとる認知行動療法なども有効です。当クリニックでは、こういった専門的な指導も行なっています。

 

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

夜寝床の中で、足を中心にムズムズするような不快な感覚が生じ、じっとしていられなくなるもので、不眠の主な原因になります。眠れなくなったり、睡眠中に覚醒することがあります。
むずむず脚症候群と周期性四肢運動は、薬物治療で症状が改善されることがわかっており、すでにその治療手順が確立されています。
新たな治療薬の開発も進んでおり、当クリニックは新薬の開発治験に積極的に参加しています。

 

周期性四肢運動障害

睡眠中に四肢(足を中心とした)に周期的な動きが生じて、 頻回な覚醒反応がみられ、昼間眠くなったり、夜間の眠りが浅くなったりします。この診断には、終夜睡眠ポリグラフ検査が是非必要です。当クリニックでは、このような検査は関連専門医療機関と連携して行なっています。検査後は、当クリニックで引き続き診療を続けることができます。

 

概日リズム睡眠障害

睡眠-覚醒の時間帯が、望ましい時間帯からずれてしまうもの。極端に夜寝る時間が遅く、 朝起きようと思っても起きることができない睡眠相後退症候群が代表的です。睡眠相後退症候群は、高校生くらいから始まるケースが多くあります。特別学校での問題がないのに、朝起きられない。昼過ぎから学校にいくケース。仕事にたいして積極的な気持ちがあるのに、どうしても朝起きられないなどの悩みがある時には、是非当クリニックに相談して下さい。当クリニックでは、メラトニンという物質に関連した薬物や、光療法などを含めて治療の相談に乗っています。

 

睡眠中の異常行動および、レム(REM)睡眠行動障害

寝ぼけや寝言、繰り返し起こる夜驚や夢の中での異常行動などがあります。小児におこる夜驚症などは、ご両親はびっくりされるでしょうが、多くの場合は自然になくなります。時に、日中のストレスが原因のこともあるので、気がつく原因があれば解決するようにすると消退するかもしれません。
寝言などは、ひどくなければそのまま様子を見ても良いかもしれませんが、ものすごく大声で怒鳴るようになると、家族も驚いてしまいます。これは、レム睡眠と関連した疾患であることが多くあります。このような状態をレム睡眠行動障害と言います。
一般的に、夢をみる睡眠であるレム睡眠時には、 筋肉が弛緩して動かなくなるのが特徴的です。ところが、レム睡眠行動障害では、体の動きを止めるメカニズムがうまく働かず体が動き出してしまいます。 このため、不快感や恐怖感を伴う夢の中で大声を上げ、起き上がったり、 手足を激しく動かしたりすることがあります。
体を揺すったり大きな声で呼びかけたりすると目が覚め、 この際に夢をみていたことに気付かれます。 レム睡眠行動障害は、ほとんどの方が薬物治療で症状が改善されることがわかっていますので、是非当クリニックにご相談下さい。

 

その他の睡眠障害

当クリニックは、日本睡眠学会睡眠医療認定医師が診察にあたっており、上記以外の、多様な睡眠障害にも対応いたします。
まずはご相談下さい。